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【大人ゴルフの歩き方】Vol.11「コンペ栄枯盛衰物語」

スコアだけがゴルフじゃない! コラムニスト・木村和久が独自の視点から現代の正しいゴルフの在り方を指南。

ILLUST/Shinichi Hoshi

前回のお話はこちら


第11講  コンペ栄枯盛衰物語

(1)コロナも大分落ち着きました
(2)楽しいコンペ再開といきますか


コンペの初めは超盛り上がる

コロナの新規感染者も減り、そろそろコンペ復活の機運が高まってきました。来年こそは参加したり、再開したりとコンペを大いに楽しみたいものです。そこで今一度、世に問いますが、コンペの発生から消滅って考えたことがありますか? 今回は、そんなコンペ雑学を学びたいと思います。

(1)まずは参加して楽しむことから。

自分らより上の世代のコンペに参加し、豪華な景品や素敵なゲストなどを目の当たりにして、楽しそうと思いますよね。じゃあ、自分らもやってみようと機運が高まります。そこからすべてが始まります。

(2)こぢんまりと始めるがよろしい。

最初から50人は集められないので、まず一組4人から始めます。そして次回は、その4人がそれぞれ友達を連れて8人のミニコンペに。さらに倍の16人って、なんだかネットワーク商法みたいですなあ。

年2、3回開催し、人が集まったらコンペの名前や方向性を正式決定します。そこで些細な権力闘争が生じます。年に1回リゾート開催するか? 女性参加者を増やすか、コース選定など、ひと悶着が多いですよ。


●機運

上の世代の憧れと反発心で起こる。威張らない年長者と使える後輩はコンペに呼ばれます

●ネットワーク商法

その計算によると6回目で、すでに128人集まるって。ありえないっすよ

●権力闘争

「女子をたくさん呼べ」「名門でやれ」「裏金回せ」など、注文が増えます

●コンペ雑学

コンペ=コンペティションは本来、「競争、競技」という意味。けれど最近は新ペリアが多く、運が成績を決めがち。イベント、フェス化している

コンペ帝国の繁栄と衰退

コンペが次第に大規模になると、いろいろ面倒なことが起こります。

雰囲気にそぐわない人を、どう取り扱うかも大事です。ルールやマナーを守らないとか、ナンパが激しいとか、女性に夜の武勇伝を語る時代遅れの人とかね。通常は組み合わせを変えればいいけど、ひどいと除名処分もあります。いちいち全参加者の個性まで把握できないですからね。

後ろを振り向けば、コンペ開始20年、団塊世代がやっていたコンペの真似事を、自分らがやっていることに気づきます。総勢80人の大所帯、幹事の努力により、常に大入り御礼です。

リーマンショックなど景気の波に左右されましたが、よくぞ令和の時代まで続いたことでしょう。長年コンペをやると、途中脱落する人もいます。病気や仕事関連で参加ができない。そして亡くなる方も現れます。コンペ仲間のお通夜に行くなんてことが、長い人生で起こるんですね。

そろそろ次のことを考えないと。やるべきことは次の若手に幹事を譲るか、将来解散することを念頭に置くか。さあどっちでしょう。

答えから言うと幹事を譲り、コンペを延命させることは、まずないです。コンペは若いころから、友達と一緒に生きて来た証しです。若い奴らに譲って、コンペを好きなように牛耳られるのが嫌なのです。

過去に参加していたコンペで、世代交代が起こり、チャライ若者が参加するようになりました。そいつらは下手だけど飛距離は出る。挨拶もろくにできないしで、こちらが嫌気をさし、コンペに出なくなりました。

若いって素晴らしいけど、残酷です。そんなわけで昔の友達がやっているコンペは、中だるみでリタイア続出。そろそろ解散かという雰囲気に。残された優勝カップは、優勝者の名前が書かれたリボンが幾つも。兵どもが夢の跡。自分の家にも数個あります。途中で消えたコンペの最終優勝者が自分だったのです。合掌!

●時代遅れの人

時代遅れだけならいいけど。若い女性が入ると熱狂し、問題が起きやすい

●お通夜

マジに行った。偲ぶ会コンペもやった。年を取るといろいろ淋しくなる

●幹事を譲り

「大正」「昭和ヒトケタ」「団塊」など、世代の象徴する名前を譲られてもね

チャライ若者

コンペでやっかいなのは、圧が強い若者。年寄りは駆逐されます

●最終優勝者

残された優勝カップは、捨てるわけにもいかず飾ってますが、どうします? ヤフオク出す?


今月のまとめ

我々世代のコンペが残り、イケすかない若者が女性とよろしくやるなんて許せん。自分の代でおしまいにしてくれ


教える人/木村和久

ゴルフ歴32年のコラムニスト。ベストスコア75、2001年鶴舞CCキャプテン杯優勝。『89ビジョン』など新しいゴルフの楽しみ方を様々提案する自称「ゴルフ生活評論家」

月刊ゴルフダイジェスト2022年2月号より