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日本初! ゴルフ場でカーボンニュートラル達成。日本オープン開催の琵琶湖CC

世界的課題となっているCO2排出問題だが、日本初となるCO2排出ゼロのカーボンニュートラルを実現させたゴルフ場がある。

それは滋賀県にある琵琶湖CC。そう、今年の日本オープン開催コースだ。

同ゴルフ場は琵琶湖が近くにあり、以前から自然共生型ゴルフ場として運営してきた。堆肥化による植栽などへの有効活用、丈夫な芝の育成、敷地内の持続可能な管理による森林保全などに力を注いできた。国内でも特にトンボの種類が多い滋賀県の貴重な自然を未来に残したいという思いからだという。

そしてカーボンニュートラルへの試みは、同ゴルフ場の母体であるヤンマーホールディングス(株)のグループ、ヤンマーエネルギーシステム(株)(YES)が担当した。同社はこれまで廃棄物を有効利用するバイオマス発電やエネルギーを最適制御するエネルギーマネジメントサービスを提案するなど、さまざまなエネルギー問題の解決に取り組んできたという。

同ゴルフ場では、まず太陽光パネルを設置・維持管理する発電事業を開始。再生可能エネルギーである太陽光の発電システムにより、300キロワットの電力をクラブハウス内に供給した。また、木質チップを燃料とした木質ボイラーの熱エネルギーで発電した電気などを最適制御し、光熱費、CO2の削減を行った。

これまで同ゴルフ場の年間CO2排出量は約800トン(クラブハウス・売店などで695トン、管理機器など107トン)だったが、前述の太陽光発電、バイオマスボイラー、さらにリチウムイオン電池などのクリーンエネルギー機器で300トンを削減。

またグリーン電力(再生可能エネルギーによって作った電気)や、芝刈り機の燃料・ガスボイラーなどで発生したCO2は、J-クレジットの購入により相殺され、マイナス500トンを達成。

これらの施策により、800トンのCO2排出をゼロにしたというのだ。

「ゴルフ場と一括してエネルギーサービス契約をしていただければ、カーボンニュートラルに貢献するエネルギー機器とサービスをワンパッケージで提供できます。琵琶湖CCでは全システム提供でしたが、例えばクラブハウスだけなど、一部分のカーボンニュートラル化も可能です」(YES広報担当・坂田直輝氏)

琵琶湖CCに続く自然共生型コースの出現が待たれる。

週刊ゴルフダイジェスト2021年11月23日号より