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【笑顔のレシピ】Vol.97「子どもと上手くいかないとき“親の役割”を変えてみよう」

メジャーチャンプ・渋野日向子を育てた青木翔が“コーチング”のこだわりを語る連載「笑顔のレシピ」。ゴルフだけでなく、仕事や育児などでも役立つヒントが満載!

TEXT/SHOTANOW

前回のお話はこちら

子育てやコーチングにはマニュアルはありませんが、子どもによってなんとなく傾向のようなものはあります。

自分自身が男だからというのが多分にありますが、男の子の考えていることはけっこう分かります。まずは僕がこの年齢の頃、どんなことを考えていたんだっけ、と思い返してみる。そうするとコミュニケーションが取りやすくなります。目の前の一挙手一投足に向き合うのも大事ですが、時にはこのように一歩引いてみるのもいいでしょう。


考え方に共感しやすい一方で、パパと息子、ママと娘のように同性同士で気をつけたいのが、価値観の押しつけです。例えば「自分は同じ年齢の頃にはもう〇〇できていたから、息子もできるはずだ」という考え方は、単なる親のエゴ。「自分はこうだったけど、息子はどうか」と、歩み寄って考えてみましょう。

また、子どもとのコミュニケーションが上手くいかなくなったときに試してほしいのが、親の役割チェンジです。学校のことは普段ママが見ているなら、パパが代わってみる。習いごとの付き添いがパパの役割だったら、ママが行ってみるなど。そうすることで親も子どもも知らない一面を発見できるので、お互いのことをこれまでとは違う視点で見られるようになるでしょう。

母親はゴルフがまったく分からなかったとしても、練習を見に行ったりサポートしてもいいと思います。知らなかったり未経験だったりすることほど、想像力を使うはず。それが子どもの考え方を尊重することにつながるのです。

ゴルフや勉強で結果が出ないとき、親に反抗する思春期。子どもとどのように接すればいいのか悩むのは当然です。そんなとき、家庭内で役割を替えたり、あえて少し距離を取ってみてください。僕も生徒と距離を詰めたいと思うときに、逆に時間をかけて少し離れたりしています

そうした接し方が、長期的には強い信頼関係を築くことにつながるのです。

思い通りにいかないときは、一歩引くことも大切です(PHOTO/Hiroaki Arihara)

青木翔

あおきしょう。1983年生まれ。福岡県出身。渋野日向子をメジャーチャンプに導き、三ヶ島かななどツアープロや、全国トップレベルのジュニアゴルファーの育成に努めている

週刊ゴルフダイジェスト2021年10月12日号より

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