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【ゴルフ野性塾】Vol.1702 バンカーの基本はカット打ちではない。

古閑美保、上田桃子など数多くの名選手を輩出してきた坂田塾・塾長の坂田信弘が、読者の悩みに独自の視点から答える。

今日9月22日。水曜日。

台風去りし福岡の空、白い小さな雲が幾つも浮かんでいる。
飛行機が飛び立った。
雲へと向っている。
雲が大地の影を作る事、実感出来る午後1時51分の秋の空。
風が冷たくなって来た。
あの暑さはどこへ行ったのかと思う。
こおろぎが15階迄飛んで来たかと思った。
3匹、ベランダの盆栽の周りを動き回っていた。
違った。ゴキブリの子供だった。
女房が叫んだ。
「殺虫スプレーで追っ払ってよッ!」
矛盾の発言であった。
殺虫スプレー使えばゴキブリは死ぬ。
「私、ゴキブリとムカデは大嫌い。ゴキブリとムカデ、嫌いじゃない人の気が知れない!!」
俺の耳近くで叫ぶなよ。アンタが嫌いなのはよく知ってるからさ。
娘の寛子もゴキブリとムカデは大嫌いだった。
雇用促進住宅時代、ベランダに出て来るゴキブリとムカデを見ると二人は叫んだ。そして逃げた。
私がいない時、獲っ捕まえるのは寛子より3歳年上の長男雅樹の仕事だった。
ゴキブリを駆除した雅樹に女房の声が飛んだ。
「その手、汚いッ!! 石鹸で洗って来てッ!! そしてアルコール消毒して頂戴ッ!!」
コロナ発生する随分と前から我が家にはアルコール消毒液が置いてあった。
ゴキブリとムカデを退治した私と雅樹の手の消毒の為だった。
ティッシュで掴むから直接の汚れではないのにアルコール消毒を強要された。
久し振りに女房の叫びを聞いた。
長女寛子の家のゴキブリとムカデの駆除は中学2年の孫娘と小学2年の男の子の役目である。
小学2年の景登(けいと)は素手でゴキブリを掴む。
寛子がギャーッと叫ぶ。
「箒があるでしょ。箒がッ!!」
私も雅樹も素手掴みの経験はない。
だけど景登は素手で掴む。
秋になれば叫び増えるのかッ。
まずはゴキブリ3匹飛んで来た。
晴れの空。
現在気温25度。
いつの間にか浮き雲、遠くへ去っていた。
体調良好です。

ピンに向って一直線の軌道を目指せ。

バンカーショットで狙いよりもボールが右に飛びます。自分のイメージよりもインパクトでフェースが開いているためだと思いますが、アドレスでフェースの開き具合を小さくしておくと、左に真っすぐ飛んでしまいます。いい感じで打てたバンカーショットがワンピン右横についてしまう感じです。どうすればピン方向に打てますか。(京都府・高田浩之・55歳・ゴルフ歴25年・平均スコア84)


人の世。人、それぞれの領分は多いと思うが、ゴルフ然り。
人、それぞれの範疇は存在すると思う。
己を知るは己の変化と進化を生む基本となるは確かであろう。
己を知りての変化と己を知らずしての変化、いずれが進化に繋がるかと申せば、己を知りての変化であると思う。
人、それぞれ、と断りての論を述べさせて貰う。

グリーン上、1メートル先の目標にパターで球を転がす時、フェースの向き、いずれの開き迄であれば目標へ向うのかの試験打ちである。
ヘッド軌道が目標に向う動きの時、どれ程のフェースの開き様、或いは閉じ様であれば目標から外れない転がり生じるかの確認だ。
ヘッド軌道、目標から外れなければフェースの開き様15度迄は目標から外れる転がりは生じなかった。
閉じたフェースだと5度で目標から外れた。
とゆう事は目標捕捉の転がり、開いた方が寛大であり、閉じた方が非寛大である事は理解して戴けると思う。
そして、目標確保するにはパターヘッドの軌道、目標ラインと同じ軌道にするのが最善であり、パターフェースの目標ラインへの直角確保は次善であると思う。
パッティング巧者、特に5メートルを外さない人は同じ傾向を持つ様じゃある。

優先順位が要ります。
一はヘッド軌道の一致。
二はパターフェースの直角である。
パターフェースをラインに直角に合せるを第一と考える人は、パッティング巧者になれていないと思う。
私がそうだった。
パッティング下手な塾生もそうだった。
5メートルに強い者はフェースの向き、ラインに直角でなくとも、ライン上を走るヘッド軌道であれば然したる問題なしと思って打っていた。
グリーン上、神経質、悲観的な者はその辺りの遊び感覚と寛大さ、適当さに欠けていた。
楽観的、遊び感覚を強く持つ者はフェースの向きに寛大であり、ヘッド軌道の動きだけに集中していたと思う。
二つの集中は分断の感覚、分断の動きを生む。
一つの集中は一つの感覚と一つの動きへの執着を生む。
パッティングに於て大切なのは執着である。
集中と執着の強さは良き結果を生んだ。
私には集中と執着の強さが欠けていた。
集中と執着は卵が先か鶏が先かの論になると思うが、私は鶏が先の論者である。
理屈ではなく感覚でそう感じて来た。
執着は鶏、集中は卵と考えた。
まずは執着、執着を生むには集中が要ると考えた。
ここも人、それぞれである。
パターヘッドに同じ動きさせればヘッドの動きをラインに合せる事は出来る。
パターフェースが開いていた、閉じていたの反省は必要ないと今は想う。
私は優先順位を間違えた者である。
ゴルフに於ての間違いが多かった。
私生活と生き様も優先順位の間違い多かったと思うが、ゴルフ程ではなかった。
だから今も人様世間に迷惑掛けずに生きて来れたのではと思う。
迷惑掛けた者は優先順位を間違えたのが原因ではなかったかと考える。
これも人、それぞれなれど、金を優先順位の頭に置けば人騙しの人間になる様な気はする。
優先順位、確かなる者には政治家になって貰いたい。
今の政治家、優先順位、確かなる者の一番手は麻生太郎さんだと思う。その後は随分と離れてしまった様な気がする。

貴兄はクラブヘッドの軌道チェックをすべきである。
カット打ちがあるが、ボールの方向の確保は難しいと思う。
バンカーショットの基本はカット打ち軌道ではなく、目標への一直線のヘッド軌道である。
そして、どれ程のクラブヘッドの開き生じれば方向が変る事、知れば良いのです。
インパクトのクラブフェースの開き、強過ぎるのではなく、クラブヘッドの軌道、インサイド過ぎであると考える。
砂叩きの練習あるが、1本の線を直角に削って行く叩きの練習はインパクト時のクラブヘッドの正確な位置作りの為の練習であり、1本の線を線と平行に削って行く動きはヘッド軌道の動きを生むが為の練習である。
私は地面に引いた1本の線の直角削りよりも平行削りが必要なのではと思う。
新たなヘッド軌道作りを目指して貰いたい。
目標への一直線の軌道である。
カット軌道もインサイド軌道も必要ではない。以上です。

坂田信弘

昭和22年熊本生まれ。京大中退。50年プロ合格

週刊ゴルフダイジェスト2021年10月12日号より