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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.283「おりん」はアプローチ、「梵鐘」はドライバーショット

PHOTO/Tadashi Anezaki

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  • 高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今回もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。 PHOTO/Tadashi Anezaki >>前回のお話はこちら いつも練習場で長いクラブでロングショットばかり打っているけれど、なかなか上手ならんという人は多いです。 そういう人は100ヤード以内のアプローチの練習の……

ここのところずっと、アプローチの延長にショットがあるんですよ、クラブの使い方としては同じでいいんですよ、だから100ヤード以内の練習をすればロングショットも安定してきます、と言ってきました。
 
でも相変わらず練習はドライバーがほとんどで、アプローチは最後にちょこっとやるかやらないかいう人が多いと思います。
 
しかし、これを逆にしなければ、ゴルフは上手ならんしスコアもよくなりません。改めて少しやさしく説明したいと思います。


アプローチとロングショットは打ち方は同じ、違いはスウィングのスピードです。番手が大きくなるほどスピードを出さなあきません。
 
このスピードは、体の動きによって出します。たとえばチョコンとそこに打つアプローチなら体は止まったままで打てます。10ヤードくらいになっても子どもだってそのままの体勢でいけます。
 
そやけど、その10ヤードぐらいを打つ感じで50ヤードを打て言われたらできません。やっぱり少し体を動かさんとあかんし、アークもちょっと大きくなってくる。距離が大きくなると体の動きが大きくなるわけです。
 
簡単な例を言いましょう。坊さんは読経のときに「おりん」をチーンと鳴らします。このときに正座して手首の動きだけで叩きます。しかし、同じお寺の坊さんが朝夕に大きな「梵鐘(ぼんしょう)」を撞木で打つときは、体をフルに使ってゴーンと鳴らします。
 
この違いを生むんは「距離」です。チーンとおりんを鳴らすんは、面前で〝近く〟の仏様に「これからお経を読みますよ」と知らせる合図なので小さく鳴らします。一方の梵鐘を打つんは朝夕に時を知らせる役割を担っておるので、“遠く”まで届くように全身で叩きます。
 
でも、おりんも梵鐘も叩くときの動きの原理は一緒。おりんを叩くときは手首を使って棒の先がリードしてチーンと叩く。梵鐘もリードするんは棒の先端で最後に手首を使ってゴーンと叩く。
 
違うんは体を目いっぱい使うところだけですが、このときにお坊さんは、体重移動とかそういうことは考えてません。遠くまで音が届くように目いっぱい叩こうとしたらその動きになるんです。

「チーンとゴーン。これで、体の使い方が違ってくるはずです」

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2026年7月28日号より