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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.277「レーザーで測るときの流儀」

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今回もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

PHOTO/Tadashi Anezaki

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  • 高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今回もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。 PHOTO/Tadashi Anezaki >>前回のお話はこちら 1人で予約ができるから便利で気楽なので、「1人予約」で回る人が、僕の所属する宝塚クラシックでもけっこういるようです。気楽と言いながら、「1人予約……

先日、前の組が毎ホールセカンド地点でつかえるので見ていたら、全員がレーザー計測器で距離を測っとるわけです。もう“野鳥の会”の人たちかなと思うくらいですわ。

もちろん、絶対測ったらあかんとは言いません。僕らももちろん使います。

たとえば、弟子の(木下)彩ちゃんとのラウンドのときに、「ここのセカンドは何ヤードぐらいの“感じ”で打つつもりや」って聞くと、 「140ヤードぐらいの“感じ”です」と言う。そこでスコープで測ると136ヤード。つまり、彼女が感じた通りの距離を打てば4ヤードオーバーするはずですが、実際に打った球はベタピンでした。


なんでそうなるんか言うと、このプラス4ヤードは風なんですよ。彩ちゃんは見て距離を読むときに「今はアゲンストの風や」と思ったので、そのぶんをプラスして140ヤードぐらいのショットを打たんとピンに行かないと“感じ“た。そこで瞬時に「これは8番で、これぐらいで打つ」いう距離感が出てくる。そのときに彩ちゃんの頭に数字は出てないはずです。そういう感覚いうんを磨いてほしいんです。
 
ある意味レーザーよりも人間の感覚のほうが上、信じられるんですよ。この感覚、感性を磨くためにラウンドしておるのに、測った距離が133ヤード、プラス風でいくらとか計算しとるから時間もかかるし、感覚は分断されていつまでも磨かれない。僕らがラウンド中にレーザーで距離測る意味は、そういった自分の感覚の確認のために使うわけです。
 
でもね、最近の若い選手らは皆レーザー使いますからね。プレーが遅いのはアマチュアの人に限りません。こないだから男子のACNツアーに弟子の加藤龍太郎が出とるんですけど、なんと1ラウンド7時間かかっとる。練習ラウンドもハーフ3時間以上らしいから、もうプレーのペースもあったもんやないいうことです。
 
彼は飛ぶほうやから最後に打つことも多いんやけど、先に打つ選手は距離測ってスタンスやらフェースやらを合わせて、次の選手も測って合わせて、それを待って打つときには、自分のペースでは打てんし、そうなると感覚を出すのも難しくなる。
 
僕らのような感覚派にとっては、プレーが遅いというんは諸悪の根源ということです。

「自分の感覚の確認のために使います。人間の感覚、もっと信じてええと思いますよ」

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2026年6月16日号より