森守洋「レッスンは受けるな」Vol.14 今日の晩御飯は何食べるか考えたほうが上手くいく!?
森守洋「レッスンは受けるな」
堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのプロを指導する森守洋が、自身が行きついたゴルフスウィングの本質を語り尽くす。
PHOTO/ARAKISHIN
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- 堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのプロを指導する森守洋が、自身が行きついたゴルフスウィングの本質を語り尽くす。 PHOTO/ARAKISHIN >>前回のお話はこちら File.13海外での戦いについて ホーム&アウェイ理論が日本人を強くさせる 男子ツアーもいよいよ国内で開幕しましたね。……
File.14
打つ前の思考
今日の晩御飯は何食べるか
考えたほうが上手くいく!?
前回、上手くなる人とならない人の差についてお話をしました。では、上手くなるためにはどのような対策をするべきなのか。今回は僕がスウィングを見ている選手らにも伝えて実践していることについて話したいと思います。
アマチュアの方だけでなくツアー選手にも多く見られる傾向ですが、アドレスに入ってから、スウィングの課題などやるべきことを脳から体へ命令し続けていないとちゃんと動けないと思い込んでいます。
例えばアマチュアの方がラウンドの前日にレッスンを受けたとします。前の日に先生から教えてもらったことをバックスウィングが始まってからのスウィング中も考えてしまっていませんか?
特に真面目な人に多く見られることですが、実はそんなことをしなくても打つ前のたった10秒の素振りで体はちゃんと動きます。教えてもらったことを意識しながら素振りをしたら、ターゲットを見て、あとは振るだけでいいのです。それでもスウィングする時には体は忘れていないよということをわかってほしいです。
スウィングするときにいろいろな思考を入れることはむしろマイナスでしかありません。ゴルフのスウィングは釣りざおを投げるのと同じで、切り返しで出力や方向性がほぼ決まります。
それなのにインパクトエリアで何かしようとすることは、グリップを力ませたりクラブを減速させたりすることにしか繋がらず、いわゆる緩みが起こってしまいます。思考を入れるとはそういうことで、自分の思ったことが伝達できなくなることを意味します。
僕はオフの間のツアー選手たちとの合宿で、構えてから「今日晩御飯何を食べようかな」とか「昨日のテレビ面白かったな」とか、もっと言えば構えてから彼氏や彼女のことを思い出すなど、構えてから別のことを考えるということを徹底的にやってもらいます。
真面目な選手は構えてからやるべきことを考えがちで、まずは、思考を入れることはデメリットしかないということをわかってもらいます。
人間の体はみんなが考えているよりも優秀で、打つ前に素振りをしておけばできるのにどうしても考えようとしてしまう。ひじを伸ばせと言われたら、打つ時までひじを伸ばそうとする。でも、その意識は打つ前のリハーサルでやっておくだけで十分だということをわかってもらいたいですね。
これができるかできないかは、トーナメントで戦う選手の強さにも直結することです。
思考を入れたくなる気持ちは当然なのですが、スウィング中に思考を入れないためには、筋トレなんかと一緒でマインドフルネスなどの訓練が必要です。もっと言えば、小さい頃からの繰り返しの練習などで無意識レベルでスウィングができる状態になるのが理想ですので、意図的に他のことを考えようというのは僕が考えた取っ掛かりの方法です。
スウィングの最中に思考を入れるというのは緊張を生むだけで、頭を動かすなと言われても逆に余計に動いてしまう。だから長嶋茂雄さんがおっしゃっていた「ズバッと振れ」といった擬音語の表現は、実は脳科学的に非常に理にかなっていることだと思います。
脳と体の関係性を理解してほしいところですが、多くの人は己の体に命令しないと動かないと思い込んでいます。前回お話ししましたが、ちゃんとやらなきゃと思い込みすぎてしまうのも普段の自分とは違うアウェイの心の状態になりがちで、むしろマイナスになってしまうのです。次のラウンドのときは「今日の朝飯うまかったな」と打つ前に考えてみてください(笑)。
真面目は悪いことではないですが、考えすぎて体が動かなくなることは良くない


解説/森守洋
もり・もりひろ。1977年生まれ。静岡県出身。堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのツアープロを指導。原理原則を謳い文句にゴルフスウィングの核心に迫る
週刊ゴルフダイジェスト2026年5月12・19日合併号より


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