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【ゴルフせんとや生まれけむ】豊ノ島大樹<前編>「お腹が邪魔で体が回らない! 現役時代のゴルフは大変でした」

ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、 大相撲の豊ノ島大樹氏。

大相撲時代はご声援ありがとうございました。今年からタレント1年生です。相撲以外の世界は初めてなので、もう見るもの聞くもの新鮮で、ワクワクした毎日を送っています。よろしくお願いします。あ、ゴルフの話でしたね。

初めてクラブを握ったのは22~23歳だったかな、幕内に定着して間もなく親方に「そろそろゴルフでもやるか」と勧められたんです。で、クラブは中古のクラブを買ったんだけど、問題はゴルフシューズですよ。私、足のサイズは30センチなんだけど、いつも雪駄を履いていたから、幅が広くて3Eじゃとても入らない。探すのに一苦労して、そこでまず気持ちがメゲましたね。それでも何とか探し出して、練習もせずにコースに出た。その初ラウンドがまた散々で170くらい叩いた。途中から数えるのがイヤになって。170いくつですからね。本当はもっと叩いているんですよ(笑)。何しろボールに当たらない。空振りやトップのゴロやスライスばかり。

私、高校時代は50メートル走が7秒台で、ボウリングはアベレージ200超えでしたから、運動神経はいいほうだと思っていたのに当たらない。これってめっちゃメゲるんですよ(笑)。それというのも私は典型的なアンコ形で、お腹回りと胸板が普通の人の4~5倍あって、バックスウィングで体が十分回らないんです。そのまま低いトップから振り下ろすと、今度はお腹が邪魔になってボールの上っ面にしか当たらないし、当たってもスライスばかり。とても楽しむ心境にはならなかったですね(笑)。

それでも3年に1度くらいハマりかけるんです。入門が同期の琴奨菊関(現秀ノ山親方)なんかが「ゴルフを始めたから一緒にやろうよ」と誘ってくると、一応ゴルフでは先輩だから、ルールやエチケットなどを先輩風吹かして、あれこれ教えて、スコアも下手なりにいいから楽しくて、少しハマりかける。でも、しばらくすると後から始めたほうが上手くなって、またつまらなくなる(笑)。とにかくドライバーの打球が上がらなかったですね。ゴルフは、スコアはともかくドライバーが一発当たれば楽しいのに、それが当たらないし、上がらない。野球でいえばセカンドゴロばかり。せめてライナーでセカンドの頭上を越えるなら救いがあるんだけど、ゲッツーに絶好のゴロばかりだから、モチベーションもダダ下がりですよね。練習? 練習は行かなかったなあ。30球も打つと息が上がって疲れちゃうんです。

それともう一つ、力士って普段歩かないんです。部屋の近くのコンビニだって付き人に言えば全部やってくれるから、座ったまま「おーい、お茶」で済んじゃうんです。それがゴルフのときだけ歩けって、無理ですよね。乗用カートがあるけど、カートの場所まで戻るのが大変なんです(笑)。

というわけで、現役時代はゴルフに対するいい思い出がゼロ。こんなに自虐的な遊びのどこが面白いんだろうって思っていました。ところが、いい思い出が一つもないゴルフに最近ハマっている。なぜか? それについては次号で(笑)。

>>後編につづく

豊ノ島大樹 ゴルフ

豊ノ島大樹

とよのしまだいき。1983年生まれ。大相撲元関脇の力士。左四つからの下手投げは切れ味鋭く、玄人ファンをうならせた。殊勲賞、敢闘賞各3回、技能賞4回。2020年4月引退。168センチ、140キロ。今年3月日本相撲協会を退職、タレントに転身した。高知県出身

週刊ゴルフダイジェスト2023年10月24日号より