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【ゴルフせんとや生まれけむ】松尾雄治<前編>「ラグビーの練習よりもキツイ!? ゴルフ漬けの毎日で1年でHC8に!」

ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、 元ラグビー選手の松尾雄治氏。

こどもの頃、遊びでクラブを握ったことは何度かあったんですが、中学からはずっとラグビー一筋でした。それが31歳で現役を引退し、釜石から東京に帰って来たら、当時、アルファキュービックの社長だった柴田良三さんが「ラグビーを引退したんだから、今後の付き合いのためにもゴルフをやったら」と勧めてくれたんです。実は半ば強制的で、有無を言わさず、みたいな感じだったんですけどね(笑)。

そこからはまずは練習しなくちゃと毎日欠かさず練習場通い。いろいろなことがあってラグビーとはしばらくお別れしようと心に決めていたので、ホントにその頃はゴルフ漬けの毎日。ほかに何もやっていなかった気がしますね。

それで、これからゴルフを真剣にやるならやっぱりメンバーにならなきゃと、東京よみうりCCに入会しようと思ったんですが、33歳以上でないとなれないと言われて断念。でも、昔、慶應でラグビーをやっていた戸張捷さんと仲良くしていたので、彼に保証人になってもらって我孫子GCに入会した。初ラウンドも我孫子で、確か100ちょっとで回ったんじゃなかったかな。

その頃は週に2、3回コースに行ってあとの日は練習。そんなことを続けていたら1年でHC8になりました。周りのみんなは「すごいね、天才だ」と感心してくれたけど、そりゃそうだよ、毎日ゴルフばっかりやっているんだもん(笑)。「このままいけばシニアでプロになれるんじゃないか」って言われて調子に乗っちゃってさらにハマって、39歳くらいの時にHCが5になりました。HC8になるのは1年だったのに、8から5になるのは大変でした。なんだかまったく別の世界のようでしたね。

ラグビーの練習はきつかったでしょうとよく言われるけれど、ゴルフもキツイですよ。1カ月間毎日真剣にやってごらんよ、ホントにヘトヘトになるよ(笑)。ラグビーのつらさとはまた違うんだよねえ。ラグビーはいわば一瞬の痛さ、つらさだけど、ゴルフは同じスウィングをずーっとやっているとひじやひざ、股関節、足首と、いろんなところが痛くなってくる。ラグビーと比べてゴルフが楽だなんてとんでもない。本当のゴルフってすごいもんだなあと思いましたね。

2004年に成城大学のラグビー部の監督を引き受けたとき、ラグビーに集中するためゴルフは封印して18年間やらなかったんです。再開したのは実は2年ほど前で、今は成城大学ゴルフ部のキャプテンだった冨永浩プロにレッスンしてもらっているけど、スコアはなかなか戻ってこないね。再開してすぐのラウンドは96とか94とかで昔と比べると全然でした。今はちょっと勘が戻って来て、80から85くらいの間を行ったり来たり。ベストスコアが68で、60台は10回くらいマークしているから、僕も落ちたなあって思うんだけど、もう69歳だし、こんなものなのかもしれないですね(笑)。

とにかくゴルフってやつはただただ練習あるのみ。練習こそがすべてですね。やると決めたらひたすらやる、うまくなりたいと思ったらそれしかないんだよね。

>>後編につづく

松尾雄治

松尾雄治

まつお・ゆうじ。54年東京都生まれ。中学時代からラグビーを始め、明治大学、新日鉄釜石(現釜石シーウェイブス)、日本代表の不動の司令塔として活躍。日本ラグビー史上屈指のスタンドオフといわれる。現在は西麻布でバーを経営する傍らタレントとして活動中。ベストスコア68

週刊ゴルフダイジェスト2023年7月25日号より