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【名手の名言】チチ・ロドリゲス「ゴルフはSM」

レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は“グリーン上の道化師”と呼ばれファンから愛された、チチ・ロドリゲスの言葉を2つご紹介!


ゴルフは芝の上で行うSMのようなもの

チチ・ロドリゲス


フェアフェイの道化師の異名をとるプエルトリコ出身のチチ・ロドリゲス。きわどいジョークや、パターを刀に見立てて鞘へおさめるパフォーマンスなどで人気を博したが、お堅いゴルファーの中には、そうした言動に眉をひそめる御仁もいたことだろう。

表題の言葉もドキッとする表現ではあるが、S(サド)はコース、M(マゾ)はプレーヤーと考えれば大いに合点がいく。

OBを連発し、たくさん池に入れ、バンカーで大叩きし、ラフに苦しめられ、風に弄ばれ、雨に打ちつけられ、これでもかというぐらい打ちのめされても、ゴルファーはまたいそいそとコースへ向かう。

ゴルフをやらない人からすれば、いったい何が楽しいのかと理解に苦しむだろうし、ゴルファー自身としても、なぜそんなに痛い思いをするとわかっていながらまたそれを求めてしまうのか、上手く説明できない。

まぐれでも芯に当たったときの得も言われぬ感触や、長いパットがたまたま入ったときの高揚感、気のおけない仲間とバカ話をしながら広大な芝の上を闊歩する爽快感など、痛みを上回る「快」がそこあるからだろうか。

上手い、下手に関係なく、ゴルファーは皆、コースの前ではMになってしまうのだ。


君に2ストロークの
ハンディをあげよう。
ただし私は1回だけ
手で投げさせてもらうよ

チチ・ロドリゲス


1966年、プエルトリコのドラド・ビーチCCで、ニューヨークから来ていた友人ロスとラウンドしたチチ・ロドリゲス。17番で2ドル賭け、チチが勝利。そして最終18番で持ちかけた賭けの内容が、表題の言葉だ。

ロスはハンディ3の腕前。たとえチチが手を使ったとしても、2打のハンディをもらって勝てないはずはない。賭けに応じたロスは、2オンに成功し、カップまでは5メートル。一方のチチは、2オンに成功したものの、20メートルの長いパットを残す。

「どうだい、今こそ手のパターを使うべきだよ」とロス。

するとチチはうなずき、ロスのボールに歩み寄ると、おもむろに拾い上げ、なんとそのまま海に放り投げてしまった。

「これで君は新しいボールをドロップしなくてはならない。2つハンディをつけててよかったな」と笑うチチ。

なるほど、こんな“手”があったのか、とロスは言ったとか言わないとか……。

■ チチ・ロドリゲス(1935~)

プエルトリコ生まれ。貧しい家庭に育ち、19歳まで米陸軍キャンプのゴルフ場でキャデイをしながらゴルフを覚える。1930年プロ入りし、米ツアーに参加。63年にはデンバーオープンで初優勝する。以来ツアー8勝し、チャンピオンズツアー入りしてから08年まで22勝をあげる。フロリダに母国のジュニアのためのファンデーションを帝王・ニクラスとともに立ち上げ、社会的貢献も果たしている。陽気なパフォーマンスでも知られ、「フェアウェイの道化師」と呼ばれ人気を博した。92年、ゴルフ殿堂入り。

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