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【林家正蔵の曇りのち晴れ】Vol.288「練習張り切ったら肩を痛めるの巻」

60歳を過ぎてから、自分のトライしたいことややり残したことをノートに書くようにしたんですが、やっぱり1番はゴルフ。33歳のときに出たベストスコア79がかれこれ30年近く更新できていなかったので、張り切って練習に向かうと、まさかの肩に激痛が走る……。お医者さんいわく五十肩だそうですが、やっぱりストレッチは大事ですね

ILLUST/アオシマチュウジ

前回のお話はこちら

最新機器を使いこなせず娘に怒られる

久しぶりにレッスンプロのもとでゴルフを習い始めた。これは還暦を迎えてノートに、60歳を過ぎたからぜひともやってみたいことやトライしたいもの、そして60歳まで生きてきたのだから、やり残したことや叶えたかった夢を書き出したことがきっかけだった。

誰かに言われたからでもなく、何かを見たからというわけでもなく、なんとなく机に向かってぼんやりとしていたら思いついてしまった。早速まだ使っていない大学ノートを見つけて、デスクの上に置くと、昔の昭和人丸出しの自分が妙に恥ずかしくなった。

今の若い人は、ノートパソコンとかに打ち込んでいくんでしょう。そりゃ私だってiPadぐらいは持っておりますよ。原稿などはそこに書いて、どこかのなにかをクリックすれば、すぐに編集者の元に届くのも十分に理解はしております。ところが肝心のどこかの何かがわからんのですよ。

娘には、「みんな初めはわからないの! 説明書もないんだから、自分なりに考え、失敗して身につけなさい!」と言われてしまう。やる気がないわけでもないのだが、ほかにやらなければならないことが山のようにあり、iPadの操作方法に費やしている時間が取れないのである。こんな思いを口にしようものなら「時間は作るもの」と言われてしまうのが関の山である。

かくして、この原稿も文具屋で購入した原稿用紙にお気に入りのボールペンにて手書きしている。誤字脱字、改行など編集の方にはお手間を取らせてしまい心苦しい。反省しております。だから60歳になってやりたいことの手始めは、パソコンの操作を身につける、と書きたいところであったが、気がついたらゴルフと書いてあった。


ゴルフの目標はやっぱりベスト更新

コロナもなんとなく収まりを見せており、聞くところによると今年の5月8日あたりからマスクの着用も緩和されるとの報道もある(※のちの報道でマスク着用緩和は3月13日からとなった)。自分自身で十分にリスク回避をして行動すれば制限がなくなるとも聞く。今まで我慢していたことが少しは自由にできるのでは。ゴルフも気兼ねなくできる。とてもありがたい。

もう思う存分やっている人もたくさんいるのであろうが、私の所属している団体の若い人には気をつけなさいと言っている手前、私自身コロナにかからないよう十分に気をつけており、ゴルフへ行く回数すら随分と抑えていた。

5月8日以降コロナに対する見直しがあらば、ゴルフをするには絶好のシーズンである。60歳になってやりたいことがゴルフとなれば、心残りでやり残したことは今までのベストスコア79の更新である。これは埼玉の大宮国際CCで、忘れもしない33歳の誕生日である。

バースデーコンペと称して友人たちとワイワイ5組ほどのパーティーでゴルフをした折、その頃はゴルフを始めて3年目。インストラクターに習い、自分の運転で寝る間も惜しんでゴルフ、ゴルフに明け暮れた日々。思い出すなー、あの最終ホールのパーパット。入れごろ外しごろの3メートル。「おい! 気がついてるか、入れば79。外せば80だぞ! 入れば79!」と同伴者に言われ、うるせー。気がついていますよ。80でもベストスコアであったが70台と80台では雲泥の差。息を整えパッティング。コロコロ~。スト~ン、カラーン。やったー。喜び爆発。あの嬉しさは生涯忘れられない。

気合の空回りでまさかの五十肩

よし! 60歳を過ぎ、体力も飛距離も落ちてはいるが、道具の進歩にあやかり、79を1打でも更新してみようと友人の紹介でインストラクターのもとでゴルフをイチからやり始めることにした。

その先生は人気があるらしく、やっとレッスンの日が決まり、それまで3日間ほどあるので練習場にて昔の勘を取り戻そうと、クラブを振ってみることにした。7Iで肩慣らしをすること30発。最初の何球かこそ、トップをしたりダフったりしていたが、15球過ぎるころには芯を食い始めた。

ラスト3球の28発目。テークバックしたときに右肩に激痛がびりびりと走る。イテテテとクラブを置く。息を整えても右肩が上がらず、痛みがある。しまったストレッチをしていなかった。あれほど年齢が60を過ぎたらクラブを振る前に入念にストレッチをしてくださいと友人や知人にきつく言われていたのに。後悔の気持ちしかない。

そのまま近所の病院へ行って診てもらう。事の次第を細かく話すと先生いわく「師匠、そりゃ五十肩だ」と言われる。あのー、私60歳なんですけどと言うと、「60でも50肩は五十肩」。それ以来、その先生には診てもらわないと決めた。

中年諸君、体に気をつけ年齢にあったゴルフを楽しみましょう。

五十肩 ベスト更新 阻まれる

月刊ゴルフダイジェスト2023年4月号より