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【名手の名言】C・B・マクドナルド「ロストボールもゴルフゲームの1つの要素」

レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回はコース設計をはじめ、米国ゴルフの礎を築いたC・B・マクドナルドの言葉を2つご紹介!

つい不平を言いたくなる状況は多々あるが……(PHOTO/Hiroaki Arihara)


ロストボールをしたからといって
不平や愚痴を言ってはならない。
ロストボールもまた
ゴルフゲームの1つの要素なのだ

チャールズ・ブレア・マクドナルド


全米ゴルフ協会の創始者、C・B・マクドナルドは英国のゴルフ精神・伝統を米国に広めた人で有名だが、1920年代米国ゴルフ初期の頃、多くの米国人はそのゴルフ精神・伝統が理解できなかった。

コースで起きる不運や過失にペナルティを課す規則に不服を述べた。例えばラフの中でボールを紛失したあげく、ペナルティまで課せられるのはあまりに過酷でないかというわけである。

しかし、自分のミスを棚に上げ、不平・不満を口にするのは、ゴルフの精神に反するばかりでなく、ゴルフの上達まで妨げるものだと啓蒙したのである。

あるはずのボールが見つからなかったり、フェアウェイのど真ん中に飛んだボールがディボット跡に転がり込んでいたり、不運なことが続くと、どうしても不平を言いたくなるが、曲がったボールが木に跳ね返って出てきたり、強く打ちすぎたボールがピンに当たってカップインしたりと、幸運なことも実は同じだけ起こっているはず。それらすべて含め、ゴルフの楽しみであり、困難な状況を攻略できたときは、喜びもひとしお。

あるがままを受け入れて、どんな状況に陥っても、その場でできる最善を尽くす。それこそが、ゴルフというゲームをゴルフたらしめる重要な要素の1つというわけだ。


ゴルフコースにおけるグリーンは
いわば肖像画における顔である

チャールズ・マクドナルド


マクドナルドはシカゴゴルフクラブやナショナルゴルフリンクス・オブ・アメリカをはじめ、数々の名コースを設計している。その設計理念を自著『Scotland’s Gift: Golf』に開陳しているが、その一部を記しておこう。

「ゴルフコースの性格はパッティング・グリーンの構造にかかっている」に続いて、表題の言葉「ゴルフコースにおけるグリーンはいわば肖像画における顔である」が述べられている。

さらに「着衣や背景、備品などは単にアクセサリーで、顔のみが真実を伝え、絵の価値を決定する。コースにおいても然り。グリーン以外のティーグラウンド、ハザード、フェアウェイ、ラフなどはみなアクセサリーにすぎない」と結論する。

我々はどうしても、ティーに立つと池やバンカーなどに目が行きがちだが、重要なのはどうカップインさせるか。上級者ほど、グリーンから逆算したマネジメントを心掛けているものだ。グリーンを“顔”と考えると、これまでとは違った視点でコースを眺められるのではないだろうか。

■チャールズ・ブレア・マクドナルド(1855~1939)

カナダ・オンタリオ州生まれの米国人。アメリカ人ゴルフ設計家第1号である父親が、1892年に9ホールのコースをシカゴに造成。その影響を受け、チャールズはシカゴに18ホールを設計した。シカゴゴルフクラブの発祥である。その後、東海岸を中心に約12カ所のリンクススタイルのゴルフ場を設計し、スコットランドの名ホールの粋を集めたといわれている。競技者としても一流で、1895年に開催された第1回全米アマの優勝者である。またUSGA(米国ゴルフ協会)の創始者で、「アメリカゴルフの始祖」と敬われる。

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