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【ベストスコアを出す方法】#1 「初めての人とのラウンド」「連続プレー」…ベストが出やすい条件とは?

もう何年もベストスコアを更新していない……そんなゴルファーも多いはず。もちろんベストスコアを更新するのは簡単なことではないが、ベストを出しやすい条件はある程度存在する。実際に最近ベストを更新したというゴルファーの声を参考に、その条件を探っていこう。

ILLUST/Koki Hashimoto PHOTO/Yasuo Masuda、Shinji Osawa

解説/北野正之

女子プロやアマチュアの指導経験が豊富。伸び悩むゴルファーへ「気づき」の指導を得意とし、スウィング理論、メンタル、マネジメントに精通。茨城・サザンヤードCCでレッスンを行う


最近、ベストスコア「87」を出した吉田寿恵さん(45歳・平均95) の話

「今までのベストは91でしたが、44、43が出ました。気分よく、今後にやる気が出ました。この前のラウンドで3日連続プレーしたのですが、気合いが空回りし、最終日は疲れてプレーが雑になっていた気がします。今回は集中してできました。初めてラウンドする方が2人いたのもいい緊張感になったのかもしれません。練習場から体が軽く、短くフラットなコースで、パー3とパー5でバーディが取れました。ドライバーはそもそもあまり曲がりませんが、セカンドがグリーン近くまで行き、アプローチ、バンカーはとりあえずグリーンには乗った。パットは最初からタッチが合っていました。最後までスコアを計算しなかったのも、よかったかもしれません」


最近ベストスコアを更新したという吉田寿恵さんの話を北野正之プロにぶつけると、いくつかのポイントを挙げてくれた。

「まず前回、3日連続でラウンドしたという点。すぐに成果はでなくても連続でプレーすると上手くなる率は高い。昨日こうだったから今日はこうしてみようと、感覚が残っているうちに次のラウンドで試せると開眼につながる。最終ホールで何かひらめいても、次のラウンドが1カ月後なら忘れてしまいます」

実際、北野プロも1泊2日のラウンドレッスンを勧めているそう。「とくに初心者のレベルはすぐに上がる。まあ、3日連続はさすがに疲れて思うように体が動かなくなるので、2日で気分よく当たるようになったところで終わるようにしていますね。できれば同じコースのほうがいいです」

また、初めてラウンドする人が同組にいたのも自分のプレーに専念できる要素だったという。

「人は無意識に『格付け』をしてしまう。普段周り慣れていると、この人にはかなわない、こいつには負けないなど勝手に決めつけて、その位置に収まってしまいがちです。今回は人に意識が向かず、コースと自分に集中することができたのだと思います。また、このコースは難しい、長いと先入観を持つと変に力んだりします。コースを冷静に判断できたのでしょう」

パットのタッチが合っていたのも重要ポイントだ。

「入る、入らないより、スピード感が合っているとOKパットで終われる。常に1~1.5mが残り、それを何とか入れるという集中力は18ホール続きません。ただ、バーディ2つは“ラッキー”かも(笑)。でもいいタイミングでくると、気分よくプレーできるので1打以上の効果があります」

しかし、吉田さんが次回また80台で回れるかは疑問だと北野プロ。

「平均90台半ばの方は、展開1つですごくスコアが変わる。たとえば、ことごとくバンカーなどペナルティにハマるとスコアは悪くなりますが、同じようにミスはしていてもバンカーではない側、OBではない側にミスをしていれば、スコアに結びつきやすい。80台との境目はそこにある。多くのアマチュアは、いいスウィングをしたらいいショットが出る、いいショットが出ればいいスコアが出る、と思っている。だから一生懸命ショットの練習をする。全然違います。声を大にして言いたいのは、いいショットなんて1回も打たなくてもいいスコアで回ってくることは可能だということです」

吉田さんも気分よくモチベーションが高い今、「考える」ゴルフを追求すると次の扉が開くという。

>>100切り、90切り、80切り…
レベル別ベスト更新のポイント

週刊ゴルフダイジェスト2022年6月21日号より