【笑顔のレシピ】Vol.116 ゴルフが好きになる「キッカケ」を作るテクニック
メジャーチャンプ・渋野日向子を育てた青木翔が“コーチング”のこだわりを語る連載「笑顔のレシピ」。ゴルフだけでなく、仕事や育児などでも役立つヒントが満載!
TEXT/SHOTANOW
僕がジュニアのレッスンで大事にしているのは、ゴルフを好きになってもらうことです。それは好きという気持ちがあれば、どんな練習も逆境も乗り越えていけるから。「好きこそものの上手なれ」ですね。
好きになってもらうこと、そして好きな気持ちを上達につなげる技術的な伴走をしているわけですが、それ以前のゴルフを知ってもらうキッカケ作りには僕の力が及びません。
ゴルフの場合、近くの公園で近所のお兄ちゃんがやっていることもなければ、学校の授業で教わることもありません。野球やサッカーと比べると、めぐり合いにくいスポーツといえるでしょう。
そこで、ゴルフ雑誌を読むほどゴルフを好きで真剣に取り組んでいる読者の皆さんには、ぜひ周りにいる子どもたちに出合いの場を作ってもらいたいのです。
テレビ中継を一緒に見たり、家の中で“パッティング対決”をしたり。もちろん練習場に一緒に行くのもOK。ルールやお作法は一旦置いておき、「なんか楽しそうだな」と思ってもらうだけで十分です。
キッカケさえ作ってもらえれば、あとは僕らコーチが、ゴルフにゾッコンになってもらえるようにがんばります!
子どもを誘うとき、ゴルフ好きのパパママやジジババがゴリ押ししてしまうというケースもあると聞きます。一緒にプレーすることを夢見て、とにかく始めさせようと一生懸命になる気持ちはわかりますが、無理強いは危険。「やりたくないことをやらされている」という経験は、ゴルフをつまらないものとして認識させてしまうからです。
もし本人があまり乗り気でない場合、ちょっと日を改めるか、「こっちがやりたいから付き合ってよ」というニュアンスで提案してみてください。最初は重い腰を上げるようなテンションでも、ボールに当たったりカップに入る快感を得られれば、次第に自主的に興味が向くようになるでしょう。
青木翔
あおきしょう。1983年生まれ。福岡県出身。渋野日向子をメジャーチャンプに導き、三ヶ島かななどツアープロや、全国トップレベルのジュニアゴルファーの育成に努めている
週刊ゴルフダイジェスト2022年3月15日号より