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大賞はV・ホブラン? 2021年PGAツアー「ルール違反・オブ・ザ・イヤー」

今年もPGAツアーでは、世間を騒がせたルール違反が多々あった。なかでも最も話題になったのは?

まず、SNSを騒がせたトップは、やはりV・ホブランだろう。3月の「ザ・プレーヤーズ選手権」初日、15番のグリーンでのこと。J・トーマスのラインにかかることから、ボールマーカーを動かしたのはよいが、リプレースするとき、なにを思ったか、反対方向に動かしてしまったのだ。誰も気づかずホールアウトしたのだが、唯一それに気づいたホブランの母親ガリーナさんがホブランに電話をかけ、ホブランはそれをオフィシャルに伝え2罰打。本人も気づかなかったため、スコア誤記による失格は免れたが、当分母親には頭が上がらない?

そして、そのホブランが優勝した「ヒーローワールドチャレンジ」最終日、1番スタートのJ・スピースとH・ステンソンが、9番ティーと17番ティーが入れ替わっていることに気づかずプレー。「チャリティイベントだと思っていたので、ペナルティを食らうとは思っていなかった」というスピースのとぼけた発言により、SNSが炎上。

ペナルティの多さという点では、一番は、1試合で10罰打を受けたオーストラリアのマーク・ヘンスビーというプレーヤーだろう。「パルメット選手権」の4番ホールで池に打ち込み、ポケットに入っていたボールを使用したのだが、そのボールが実は自分のボールではなかったのだ。スタート直前、練習グリーンで他の選手のボールを自分のボールと思ってピックアップ。そのボールを、4番ホールの池ポチャ後にドロップ。気づかず8番ホールまで使い続けたため、「ワンボールルール(※)」に違反したとされ、2罰打×5ホールの10罰打、「84」で試合を棄権している。

ちなみにボールは同じタイトリストの「プロV1」だったのだが、間違えて拾ったそのボールはロゴの左に「・」(ドット)がついた「レフトドット」と呼ばれる低スピンモデル。途中まで気づかなかったのも無理はない。

  • 商品の価格は、製造原価だけでなく、需要と供給のバランスによって決まるというが、定価49.99ドル(1ダース)のタイトリスト・プロV1が6倍の300ドルになるのであれば、もはやこれはニュースと言えよう。 『プロV1 レフトドット』(・Pro V1)は、ProV1というロゴの左にドット(点)が入る、通常モデルとは異なった仕様のボール。ご存じのとおり、プロV1は米国ツアーで最も使用されているとい……

今年も大小さまざまな違反があったが、その多くは自己申告によるもの。最近はテレビやウェブ配信など、世界中で視聴者の“目”が光るだけに、片時も油断はできない。

※ワンボールルール……ラウンド中は、適合球リストに掲載されている一種類の球しか使用することができないというトップレベルの競技特有のルール。たとえ同じブランドのボールであっても、特性の異なるボールは使用できない。

ホブラン、2罰打で済んでよかった!

週刊ゴルフダイジェスト2022年1月4日号より

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