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【ギア選びのウソホント】Vol.42「異素材複合」の技術が、ミスに強いドライバーを生んだ

「キング・オブ・試打」としてお馴染みの堀越良和プロが、長年の知見から、ギア選びの際に重視すべきポイントや注意点をわかりやすく解説!

前回のお話はこちら

異素材複合ヘッドは素材の比重差により設計の自由度が上がるので、パーシモンやメタル、チタン単一素材で製作していた頃より、重心をメーカーの理想に近い位置に持っていくことができるようになりました。そして、ゴルファーがその恩恵をいちばん受けたのはドライバーだと思います。とくに、アマチュアゴルファーは打点が安定しないために、飛ばないことよりも曲がってスコアにならないことが多いので、低・深重心化ができる異素材複合が主流になりました。

また、比重の小さい金属を使用することでヘッド体積が大きくなっていきました。基準となるヘッド重量はそのままに、ヘッド体積を大きくすれば慣性モーメントが上がり、当たり負けしなくなってミスに強くなるからです。ちなみに、ヘッド大型化の黎明期にはフルカーボンやフルジュラルミンのドライバーヘッドが各社から販売されていました。それでも250㏄ほどなので、いまからしてみれば少し大きめの3Wというところですが、当時は驚いたことを覚えています。とはいえ、カーボンやジュラルミンは強度や打感の面でチタンには劣り、そういう経緯があって、クラウンやソール部にだけカーボンを使うモデルが増えているのだと思います。

ジュラルミンは比重がチタンの62%。夢の素材と言われた時期も

堀越良和
ほりこしよしかず。週刊ゴルフダイジェストで試打レビューを続けて約四半世紀の「キング・オブ・試打」

週刊ゴルフダイジェスト2021年6月22日号より