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【腰痛対策】<前編>冷房や水分不足で“ぎっくり腰”に!? 夏のぎっくり腰の真相

KEYWORD 腰痛

寒い時期に重い荷物を持ち上げて、「イテッ」となるのが“定番のぎっくり腰”だが、夏には夏の「ギクッ」や「イテッ」がある。原因は意外なことだという。

ILLUST/Koki Hashimoto

臼井俊方氏 桃谷うすい整形外科(大阪市天王寺区)院長・整形外科医。重症外傷や慢性疾患(変形性関節症、腰部脊柱管狭窄症、慢性腰痛症など)のほか、スポーツ整形、整形内科(骨粗鬆症、関節リウマチなど)といった幅広い整形外科疾患に対応

瀬尾真矢氏 理学療法士。スポーツ障害や一般整形のスポーツ・日常生活の復帰をサポート。得意分野は変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)、スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)

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その「ギクッ」、原因は「隠れ脱水」かも!?

ぎっくり腰といえば、寒い季節のイメージがあるが、実は「夏もぎっくり腰が多い時期なんです」とは、大阪の桃谷うすい整形外科院長の臼井俊方氏と理学療法士の瀬尾真矢氏。

くしゃみをした瞬間、顔を洗おうとかがんだ瞬間、トイレから立ち上がろうとした瞬間など、日常のちょっとした一瞬に、突然「グキッ!」という衝撃とともに激痛が……。これは経験したことのない人にはわからない痛みかもしれないが、ゴルファーは特に注意してほしいという。

そもそも、ぎっくり腰(急性腰痛症)は、腰の筋肉や関節、椎間板などに急激な負荷がかかることで起こる炎症や損傷の総称。背景にはリモートワークの普及などで体を動かさない人が増えたことによる筋力の衰えや腰椎の柔軟性が失われたことがあるともされるが、「夏特有の原因もあり、それもぎっくり腰のリスクを高めています」(瀬尾氏)。

理由は、以下の3つ。

まず、①隠れ脱水による筋肉の機能低下。夏はラウンドでも日常生活でも汗を大量にかくため、自覚がないまま体内の水分が失われる「隠れ脱水」に陥りがち。筋肉の約75%は水分で構成されており、水分が不足すると筋肉は硬く、伸縮性を失ってしまう。柔軟性を失った腰の筋肉は、ちょっとした動きでも負荷に耐えきれず、損傷しやすくなるのだ。

さらに②冷房による血行不良。屋外の暑さと室内の冷房による激しい温度差は、自律神経のバランスを乱し、全身の血行を悪化させる。腰回りの血行が悪くなると、筋肉は硬直し、疲労物質もたまりやすくなる。この状態で急に体を動かすことが、ぎっくり腰の引き金になることがあるという。

そして③夏の疲労の蓄積。暑さで寝苦しい夜が続くことによる睡眠不足や、夏バテによる食欲不振は、体全体の回復力を低下させる。疲労が蓄積した体は、筋肉の緊張を招き、腰への負担をうまく分散させることができなくなってしまう。

以上が「夏のぎっくり腰」のメカニズム。予防のための普段のケアは後編で紹介するが、実際になってしまったときの応急処置は、どうすればいいだろう?

「まずは、安静にすること。患部が炎症を起こしている状態では、冷やすことが定番ですが、ぎっくり腰を予防するという長期的な観点からいえば、炎症が治まった後は入浴で温めるなどして全身の血行を良くすることなども、ぎっくり腰の予防につながると思います」(臼井氏)。

ぎっくり腰エピソード集

トイレから立ち上がる際に……
今(7月下旬)、まさに痛みと格闘中です。朝、トイレで座っていて立ち上がろうとしたら「ピキッ」となり、左腰に違和感。痛みはジワジワ強まり、翌朝は起き上がれないほど。ぎっくり腰を初めて発症したのは20年ほど前、デスクワークの途中、何気なく体をひねった際に「グキッ」となり、数日間、寝返りも打てないほど痛みに苦しみました。その後、雪深い地方に移住し、毎年の雪かきが恒例になるとぎっくり腰も定着。季節問わずに出るようになりました。(62歳男性、福井県)

軽度のぎっくり腰をたびたび
19歳、仕事で電気工事をしている最中、地中管配線時にケーブルを引っ張っている時に発症。腰に電気が走りましたね。四つん這い状態で動けずに先輩に抱えられて病院へ。極度の痛みは取れたものの、それから10年ほどは体勢次第で、わりとすぐに軽度のぎっくり腰を発症するようになってしまいました。コルセットを着けて生活していましたが、今は何とかゴルフをできるくらいになりました。(45歳男性、東京都)

まさか電車の座席で……すり足で帰宅
7月にやったばかりです。会社からの帰りの電車で、座っていた座席から立ち上がる際に痛みが走りました。助けを求めるわけにもいかず、ゆーっくりゆーっくり歩き、普段の何倍もの時間をかけて帰宅。途中で座るなどしたら、もう立ち上がれないので休憩はナシ。翌日の出張はさすがにキャンセル。しばらくはずっと“牛歩の歩み”での移動が続きました。(42歳男性、愛知県)

ベッドから起き上がるときに発症
年に1回はやっています。冬が多いですが、ほかの季節もあります。ベッドから起き上がる際がほとんど。対策として、筋力アップのため1日8000歩、歩くことを心がけています。(48歳男性、群馬県)

20歳で発症してからすっかりクセに
20歳の頃、バイトでコーラ瓶の積み下ろし中になったのが最初、40歳くらいから季節問わず、頻繁になっています。歯磨きしているとき、趣味のバスケの練習中など、所かまわず。医者で診てもらい、レントゲンを撮って湿布をして安静にします。(69歳男性、東京都)

中腰で相撲を取っていたら……
これまで3回やりました。ほとんどは冬、疲れがたまっている時期。1回目は会社の慰安旅行でふざけて相撲を取っていて。2回目は仕事中、椅子に座って鉛筆が机から落ち、それを拾おうとして。3回目はジムで筋トレ中に負荷を上げたとき。治療は最初は整形外科で投薬とリハビリ。最近ははり治療に通っています。(79歳男性、東京都)

そもそも「ぎっくり腰」とは
語源を調べてみると、急に驚くような痛みが襲うことから「びっくり腰」が転じて「ぎっくり腰」と言われるようになったようです。欧米では「魔女の一撃(witch’s shot)」という別名もあり、いかにその痛みが強烈なのかわかります

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週刊ゴルフダイジェスト2026年8月18・25日合併号より