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【岡本綾子 ゴルフの、ほんとう】Vol.925「夢を叶えたい。まず一歩踏み出す行動からです」

米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王となった日本女子ゴルフのレジェンド・岡本綾子が、読者からの質問に対して自身の経験をもとに答えていく。

TEXT/M.Matsumoto

>>前回のお話はこちら


よく「夢に出てくる」と言いますが、岡本さんは夜、寝ているときにゴルフをしている夢を見たことがありますか? それとは別に岡本さんは若い頃どんな夢をお持ちだったのでしょうか。 (匿名希望)


足を踏み外したら崖下に落ちちゃう……。

若い頃は冷や汗をかきながら心臓バクバクで目が覚めるというような内容の夢をよく見ましたね。

夢で見るゴルフのシーンも窮地に陥っている場面ばかりで、悠々と優勝を決め、満面の笑みで祝福されている場面なんて一度も見させてもらったことはありませんでした(笑)。

強く印象に残ったり目に焼き付いたからといって夢に出てくるとは限らないのかしら。

潜在意識や深層心理に残ったイメージで夢を見るのでしょうけど、記憶や意識と夢の関係は脳科学でも分からないみたいですね。

ゴルフの夢が必ずと言っていいほど危機の場面であれば、わたしが日頃からそんなことになっては困る! と警戒した形が夢の中に表れていたのかしらと思います。

現役を離れるとそのような生々しい夢を見なくなりましたからね。

頻繁に見たわけではありませんけど、夢の中で感じた怖さ、焦りの感覚だけはなんとなく頭に残っています。

いつものように構えるけど、いざスウィングを始めようとしたらテークバックができない!

あれ? 体が動かない! どうなってるの! 驚きと恐怖でどうしようもない焦りに襲われて目が覚めて「夢で良かった!」と思ったのも覚えています。

そして目を覚ましたとき、その夢を忘れまいと起きてすぐにメモするんだけど、後からそれを読んでも、自分で何を書いたんだか意味不明で分からなくなっていること、経験ありません?

ほんとう不思議ですよね。

そういえば、後ろの組から「早く行きなさいよ」と急き立てられるシーンも夢で見たことあったような……イヤですね(笑)。


当時はヒマさえあればゴルフのことしか考えていなかったと思います。

やはり夢中になるという言葉があるように、無我夢中で練習しないと技術というのは身にはつきません。

そこで思ったのですが、夢の内容をほとんど覚えてないのは、記憶していたら実際に経験した記憶と混同してややこしいことになるからじゃないかということです。

やはり実際の練習に勝るものはないということですね。

あと眠っている間に見る夢ではなく、実際に起きてる間に見る夢がありますね。

夢を持つ、見る、語る、与える……。いろいろとありますが、わたしにとっての夢は、自分が自分の胸に抱くものであって人から与えられるものではないと思います。

何かをキッカケに発見した夢を育て、その夢を実現するために目標を立てる。

この目標を持つことが夢中になる物語の始まりだと思うのです。 ああなりたい、こうなれたらいいなと夢を見る。

若い頃どんな夢を持っていたかということですが、プロになってからも一時期、長距離トラックの運転手に憧れたことがあったっけなぁ〜。

それは夢じゃなくて希望ですかね(笑)。 最後に自分の夢を叶えるにはどんな方法があるのか。

本気になって考えて探し求め計画を練り、明確な目標を立て行動を起こすことじゃないかしら。

それが夢を実現するための第一歩。

そしてそれが人間を大きく成長させる、ほんとうの夢なのだと思います。

「結果がどうあれ夢に向かい夢中でゴルフと向き合える時間が多いのは幸せだと思います」(PHOTO by Ayako Okamoto)

週刊ゴルフダイジェスト2026年9月29日・10月6日合併号より