【岡本綾子 ゴルフの、ほんとう】Vol.924「新たな規制があってもゴルファーが置いてきぼりにならない楽しめる整備をしてほしいです」
岡本綾子「ゴルフの、ほんとう。」
米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王となった日本女子ゴルフのレジェンド・岡本綾子が、読者からの質問に対して自身の経験をもとに答えていく。
TEXT/M.Matsumoto
>>前回のお話はこちら
- 米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王となった日本女子ゴルフのレジェンド・岡本綾子が、読者からの質問に対して自身の経験をもとに答えていく。 TEXT/M.Matsumoto >>前回のお話はこちら ゴルフに限らず、プロアスリートはみんな決まって負けず嫌いな性格だと言われますが、ほんとうにそうなのでしょうか。またそうでないとプ……
ゴルフでは2028年から飛ばないボール規制が始まり、同じ年の春の選抜から高校野球で7イニング制の導入が検討されているとも聞き及びます。スポーツのルールは時代の流れで変わっていく宿命なのでしょうか。(匿名希望・57歳)
夏の甲子園大会の中継を見たのですが、高校野球でもDH制が導入されていたんですね。知らなかったので少しビックリしてしまいました。
ルールは時代の流れに沿うということなのでしょうか。
ゴルフの「飛ばないボール規制」は、2023年の暮れに発表され2028年の1月から公式競技で施行されるそうで、一般アマチュアゴルファー対象の規制発効は2030年度になるようです。
この十数年の間でボールやクラブなど用具の進化改良はかなりのスピードで進みました。
ボールは飛距離も出るようになり、いい意味で曲がりにくくなったことで、かなり厳しいピン位置でもデッドに狙えるゴルフへと変わってきました。
やはり飛距離の進化は目を見張るものがあり、30年前に登場したタイガー・ウッズ選手のドライバーショットを目にして驚きましたが、いまは300ヤード飛ばす選手に驚くことはなくなりました。
タイガー・ウッズ選手が初めてメジャーを獲ったのは1997年のマスターズでしたが、そのときはオーガスタナショナルGCの全長6925ヤード・パー72で争われました。
しかし今年のマスターズは7565ヤードにまで延伸されていました。
30年足らずの間に640ヤード延びたというか、延ばさざるを得なかったというのがゴルフの現実なのかもしれません。
プレーヤー全体の飛距離が伸びている以上、これを受け入れるコースを従来通りの長さにはしておけないですが、とはいえ各ホールを延ばすにも敷地がなければできません。
以前は2オンが難しいパー5だったホールが、いまではショートアイアンでピンを狙う選手も現れるようになり、ゴルフ本来の競技性が覆されかねないということで、世界のゴルフを事実上統括するR&AならびにUSGAは「飛ばないボール規制」に動かざるを得なかったのだろうと思います。
このような飛びすぎる現状に対して規制がかかるのは今回が初めてではなく、2000年代の初頭にヘッドの反発係数を抑えるということがありました。
逆にヘッドの反発係数が抑えられたことによって、ボールの進化がさらに加速したのかもしれません。 あくまでも憶測でしかありませんが……。
ゴルフという競技も長い歴史の流れの中でさまざまな変化を遂げてきました。
長い時間をかけて洗練され現在の形になっていったのだと思えば、過去の罰則やルール、マナーに敬意を払い、昔から大切にされてきたものを継承する考え方も生まれます。
たとえば、以前からゴルフ界ではスロープレーを問題視する声がありました。
今世紀に入ってからはさらに深刻化し、競技での罰則規定も厳格化する一方の印象があります。
以前はプレーする組ごとに警告が与えられたものですが、現在では競技委員によってプレー時間が計測されるようになり、個人にペナルティーが科されるようにもなっているのが現実です。
これからルールがどのように変化していくのか正確なところはわかりませんが、クラブやボールなどギアの進化は止まらないので、ある程度規制をしていくのは致し方ないことだとは思います。
道具が変われば使い方も変わってきます。
プレー内容や使い方がこれまでとは違ってくる可能性はあるため、競技方法にも工夫が必要になるかもしれません。
これを話していて、ひとつ思い付いたことがあります。14本のクラブで戦うってルールは誰がいつ決めたの? ということです。
クラブの本数に制限をかけるという方向性はないのかしら。
環境の変化、時代の変遷によってルールが形を変えるのは無理もないことなのです。
その変わっていく方向や程度を判断するのは誰か?
ゴルフ界で考えればR&AやUSGAでありJGAだと思いますが、その時にその人たちがリーダーシップを発揮してゴルフ界を正しくリードしていってくれることを祈っています。
道具が進化したとしてもゴルファーが置いてきぼりにならないよう、世界中でゴルフが楽しめるようなルールを整備してもらいつつ、ゴルファー自身もエチケット&マナーは忘れないようゴルフと関わってくれたらうれしいですね!

「規制を抑圧と考えるか、新しい発想のチャンスと考えるか。わたしは後者です!」(PHOTO by Ayako Okamoto)
週刊ゴルフダイジェスト2026年9月22日号より


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