森守洋「レッスンは受けるな」Vol.22 いまの女子プロの活躍の裏に坂田信弘さんの偉大なる功績がある
森守洋「レッスンは受けるな」
堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのプロを指導する森守洋が、自身が行きついたゴルフスウィングの本質を語り尽くす。
PHOTO/ARAKISHIN
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- 堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのプロを指導する森守洋が、自身が行きついたゴルフスウィングの本質を語り尽くす。 PHOTO/ARAKISHIN >>前回のお話はこちら File.21インパクトについて 練習場のマットだと正しい最下点は作りにくい!? 先日、若手男子プロのスウィングをじっくり見させてもらい……
File.22
環境について
いまの女子プロの活躍の裏に
坂田信弘さんの偉大なる功績がある
山下美夢有選手が米女子ツアーの『マイヤーLPGAクラシック』で今季初優勝を飾りましたね。本当に素晴らしいことです。日本人が海外で勝つことが当たり前の時代になってきたんだと改めて感じています。今年の全米女子オープンでは過去最多となる23人もの日本人選手が出場しました。これは本当にすごい数字です。
本連載で以前にも話しましたが、基本的に技術レベルが世界トップクラスであると同時に、日本で戦っているのと同じような環境で戦えていることが活躍の大きい要因の一つですが、「環境」という言葉でふと思い出すのは2024年に亡くなられた坂田信弘さんのことです。
僕が契約している原江里菜選手もそうですが、いわゆる坂田塾出身のプロは100人は優に超えています。
初期のメンバーの古閑美保選手や上田桃子選手らを入れると100勝くらいしているんじゃないかと感じるほどです。選手が育つ環境を与えたという点で、坂田さんの日本のゴルフ界への貢献度は計り知れないものだと思っています。
僕は坂田塾出身ではないですが、実は坂田プロの影響を大きく受けた一人なんです。かなり昔の話ですが、坂田さんが神奈川の平塚で行った講演を聴きに行ったことがあるのです。それが本当に面白くて。
僕は元々活字中毒でゴルフ雑誌でゴルフを好きになったタイプなんですが、高校からゴルフを始めて当時は毎週ゴルフダイジェストやパーゴルフなんかを隅々まで読んでいました。インターネットがない時代というのもありましたが、根本的に活字が好きだったんです。その中でのめり込んだのが坂田さんの連載でした。
何十回も毎日読んでもあれだけゴルフの素晴らしさを教えてくれて、マスターズや鹿沼の情景描写によって、行ったことがないのにまるでそこにいるかのように引き込まれ、そしてゴルフが大好きになったのは、坂田さんの描く文章の影響が大きいです。
自分がレッスンの道に進んでから坂田さんが育てた原江里菜選手らを見るようになったのも何かの縁なのかなと思ったりもしますが、今のツアーに坂田塾出身の選手が多いのは「環境」を与えたという点が非常に大きいということと、坂田さん自身の指導法も原則的だったということです。
原選手と以前話したことがあるんですが「坂田さんに何を教わったの?」と聞いたら、「6番アイアンでバックスウィングでは左腕を伸ばしてフォローで右腕を伸ばす」だけだったと言うんです。あとは頭を動かすなと言われただけだったそうです。
実はこれ、体に対しては軸形成をさせて、クラブに対しては円弧形成をさせるという強烈な原理原則に基づいた教えです。その環境を与えたことがこれだけのプロが育つ要因になったことは間違いありません。ゴルフスウィングの原理原則的にもこのカリキュラムは素晴らしいものだったのです。
前述したように、過去最多の日本人選手がメジャーに出る時代になりました。そこに至るまでには宮里藍選手らのようなプレーヤーの出現が大きかったわけですが、もっとその前に坂田さんがまいていた種が花を咲かせているのが今の日本のゴルフ界だと僕は思っています。ゴルフをやったことがない子どもたちにゴルフをする環境を与えた。
とても真似ができることではないし本当に心から敬意を表します。
坂田塾の基礎練習のひとつ「ハーフスウィング」を行うジュニアゴルファーたち


解説/森守洋
もり・もりひろ。1977年生まれ。静岡県出身。堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのツアープロを指導。原理原則を謳い文句にゴルフスウィングの核心に迫る
週刊ゴルフダイジェスト2026年7月14日号より


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