【雑巾王子のキミこそ王子だ!!】Vol.248 キレのあるスウィングが魅力の女子高生
雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王女候補は、大阪府出身、大阪学院大学高等学校2年の山本唯依さん。プロを何人も排出している関西屈指の名門ゴルフ部に所属している彼女の魅力は、キレのあるスウィング。武市が詳しく解説する。
今回の王女候補
山本 唯依さん
●主な戦歴/2021全国高等学校ゴルフ選手権春季大会4位 ●ベストスコア/68(花屋敷GCひろのC) ●練習/毎日4時間200球強 ●トレーニング/ランニング2キロ(週2~3回)、筋トレ&体幹トレ30分(毎日)
3歳のとき、祖父の勧めでゴルフを始めた山本唯依さん。そして、小3のとき宮里藍プロや横峯さくらプロの活躍を見て、プロゴルファーになることを決意。しかし祖父は「プロなんか目指さず、楽しくやったらええ」と反対だったそう。
「実は、うちのおじいちゃん、元プロ野球選手だったんです」
「え!!! どこの球団?」
「南海ホークスです」
「おお、懐かしい! 誰世代?」
「野村克也さんと同時期だったみたいです。で、引退したあと、鳴尾ゴルフ倶楽部の研修生になりプロゴルファーを目指したそうです。でも、結局なれなくて……」
「スポーツ選手の厳しさを知ってるからこそ反対したんだね。でも、プロ目指してるんでしょ?」
「もちろんです!」
力強く返事をしてくれた唯依さん。春に行われた「全国高等学校ゴルフ選手権」で4位となり、夢に向かって着実に前進している。
スウィングを見た武市は、「キレがいい」と絶賛。ドローボールで飛距離も十分出る。
「やっぱり、おじいちゃんのDNAを受け継いでるよ。すごく気持ちよくクラブを振ってる」
「ありがとうございます」
「どこか意識しているポイントはある?」
「左肩が開かないように気をつけています」
彼女のスウィングの特徴を武市は次のように解説した。
「彼女は、左手をフックグリップで握り、その手首のカタチをキープしたまま、フェースローテーションせずに振るタイプ。上半身に柔軟性があり、トップが深く、そこから一気にフィニッシュまで振り抜いていく。振るスピードが速く、キレがあるところは、おじいちゃん譲りの運動神経の良さなのかな~。でも、ボクが何よりもいいと思ったのが、本人も言っていたけど、インパクトで左肩が開かないところ。このポイントを死守すれば、おのずとクラブはインサイドから入ってくるから、ドローボールとなる。ヘッドの入射角も緩やかになるから、ほどよくランも出るし、唯依ちゃんの飛距離は魅力だね」
ただ、ときどきドローがきつくなりフェアウェイを外すことがあるので、将来的にはストレートボールにしたいとのことだ。
「この前の全国大会は4位で惜しかったね」
「はい。最終日に叩いちゃって、お母さんに怒られました」
「お母さん怖い?」
「厳しいですが、私も負けてないので。『こっちだって好きで叩いてるんじゃない! やれるもんならやってみろ』って心で思ってます(笑)」
「プロになるなら、それくらい精神的にタフじゃないとね」
「父親が温厚なので、なんだかんだバランスとれてるかなと(笑)。でも、次は優勝して、みんなに喜んでもらいたいです」
一家の期待を背に負い、彼女ならきっといい結果を出してくれるに違いない!
週刊ゴルフダイジェスト2021年5月25日号より