【教えて! なっち先生】Vol.33 飛距離アップの秘訣「Xファクター」を最大化するには?
大谷奈千代のイラストレッスン
バックスウィングでできた腰と肩の捻転差のことを「Xファクター」という。飛距離アップのために重要なXファクターを作るコツを、ゴルフイラストレッスンでお馴染みのプロゴルファー・大谷奈千代にイラストを交えて詳しく解説してもらおう!

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Lesson 33
飛距離アップの秘訣
Xファクターとは?
ゴルフは軸回転運動です。バックスウィングで胸を回すと、上半身と下半身にねじれが生まれます。このときにできる腰と肩の捻転差をXファクターと呼びます。
Xファクターは、1989年にジム・マクリーンが全米のティーチング・オブ・ザ・イヤーを獲得した際に、「スウィング中の腰と肩の捻転差が飛距離に比例する」と発表してから、捻転差が大きいほど飛距離アップに繋がるという評価基準の一つになっています。上のイラストのように、腰と肩の捻転差が大きい選手はXファクターが大きく、飛距離特化型のスウィングと評価できます。
今回は、そんな飛ばしに必要なXファクターについて解説していきましょう!
肩と腰のねじれ差は
切り返しで最大になる
一般的にバックスウィングでの捻転差の目安は、肩90度、腰45度の回転で捻転差45度と言われています。しかし、このトップのポジションが最大の捻転差になるわけではありません。
腰と肩のねじれ差が大きくなりXファクターが最大になるのは、トップから左足を踏み込み腰が回り始めた切り返しのポジションになります。そのためには、バックスウィングでしっかり胸椎を回して、体をねじって準備しておく必要があります。多くの方は、バックスウィングで捻転不足のため、Xファクターが小さくなってしまう傾向があります。捻転差を作る際、トップの位置でしっかりねじれを作っておくことが大切です。
ポイントとしては、バックスウィングで背骨の胸の部分にある胸椎をしっかり回して、股関節で上体の捻転を受け止めるようにバックスウィングを行うことが重要です。このねじれができた状態で左足を踏み込んで、腰のターンが始まったところが最大の捻転差になります。

切り返しでターゲット方向に腰のターンが始まっても、まだ胸がトップのほうを向いている逆の動きによる捻転差を体験することができれば、そのとき飛ばしの秘訣となるXファクターが最大となり、飛距離が伸びる要素となります。
捻転が上手くできない方は、バックスウィングがスタートした時点で、すでに腰が横にズレてしまったり、腰が回りすぎてしまっている傾向があります。こうなってしまうと、トップで左足に力が残っていない体勢になってしまいます。 この状態で切り返しから左足を踏み込もうとすると、反対に突っ込んでしまうミスが起こりやすくなってしまうので注意が必要です。

そんな方は鏡を見ながら、体の真ん中から頭をまったく動かさないように体をねじっていくようにしましょう。
そうすることで、バックスウィングで胸がしっかり回り、トップの位置から左足を軽く下ろすだけで左への体重移動は完成します。
その後、ヒップターンで最後まで振り抜くことができれば、体の捻転差を生かしたフォローやフィニッシュができるようになります!
スウィング中に正しく捻転差を作ることができると、非常に窮屈さを感じるものです。お腹がねじれて、苦しさを体感できてきたら飛距離アップのチャンスです! ぜひ参考にしてください。


大谷奈千代
1984年、神戸市出身。JLPGAトーナメントプロ&ティーチングA級。関西を中心にレッスン活動を行う
週刊ゴルフダイジェスト2025年11月18日号より


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