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【たま~に80台で回りたいッ!】Vol.29「アマチュアは“ナイスミス”を狙え!」

KEYWORD 木村和久

飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま~に80台で回るゴルフは十分に可能! コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。

ILLUST/Shinichi Hoshi

>>前回のお話はこちら

いきなり“ナイスミス”を狙えと書きましたが、素敵な女性にアプローチすることじゃないですよ。ベタなボケをかまして、すみません!

これはアマチュアによくある「結果オーライ」ショットを指します。高い球でドスンとグリーンに乗せようと打ったら、低めのトップ球が出てゴロとなり、そのまま転がってグリーンに乗ったとかね、そういう類いの話です。では、どうすればナイスミスが出るか、それを考えましょう。

狙っては出ない

ナイスミスは結果論で、狙って出るものではありません。我々が日頃、練習&ラウンドを積み重ねていると、まずナイスショットが出るようになります。そうなると時々、当たりは良いけれど、方向性がちょっと違うショットなども出ます。そういうボールはセミラフ付近で止まるけど、次のショットに問題なし。結果オーライのナイスミスになるのです。

だからナイスミスはナイスショットの副産物みたいなものです。基本的にナイスショットが出ないとナイスミスは発生しません。

豆腐を作れば副産物のオカラが出るようなもの。だから美味しい豆腐ができたらオカラも美味しい。立派なナイスショットを頻発すれば、ナイスミスも増えます。

たまにナイスミスもどきしか出ない人もいますが、それはその人にとっての癖球、持ち球となり、ナイスミスとは言いません。基本はナイスショットを打てる人が、ナイスミスを出せるのです。


逆球はよくある

ドローを打とうと思ったら、フェードが出てしまった。なんで逆球が出るのか。昔、後藤修先生にドローボールの打ち方を教わりました。ドローを覚えたら、今度はオープンスタンスにし、グリップをウィークにするなどして、パワーフェードを打ちなさいと。だからドローとパワーフェードの基本構造は一緒です。あとは構えや力加減、タイミングなどで微妙に変えて打つ。だからドローを打つつもりでフェードが出ても、全然おかしくないのです。

これが広いフェアウェイで逆球が出ても、セミラフぐらいで止まるのでナイスミスになります。逆に狭いトリッキーなホールで逆球が出ると、OBになる可能性が高くなります。コースレイアウトを見て、難しいと感じたら短いクラブで刻むのもありです。

ありがちなナイスミス

一番よくあるのは、ドライバーをかっ飛ばしたら、ちょっと右にそれた。そしたらカート道路に当たってバウンド、前進50ヤード、なんと飛距離が270ヤードのビッグドライブをしたとかね。

けれどそういうナイスミスはもろ刃の剣で、カート道路の当たりどころが悪いとOBになることも。日頃の行い次第ですかね。神様は見てますって、ほんまかいな。

ナイスミスは確率論

ナイスミスの頻度はどれぐらいでしょうか。ナイスショットがハーフで1回出たとしたら、ナイスミスは2回ぐらいですか。だからナイスショットが5回出れば、ナイスミスは10回ぐらい出ます。

グリーン狙いのこぼれ球の多くはナイスミスです。ボギーチャンスととらえましょう。あわよくば寄せワンパーもありますからね。

これがグリーン狙いをするけどチョロやダフリ、チャックリだと、ダボ以上のスコアになります。

ダボゴルファー、ボギーゴルファーの違いは、ケアレスミスとナイスミスの違いと言えます。そろそろケアレスミスは卒業しましょうよ。今までたくさんゴルフをやってきたじゃないですか。

ナイスミスが出やすいコース

あるコースを視察プレーしたことがあります。丘陵コースで左右は傾斜のきついマウンドが多く、打ったらボールが転がってくるだろうと予想しました。

ところが何度か左右の傾斜の強いマウンドにボールが飛んだのですが、ボールは落ちてきませんでした。傾斜に生えていたのは、ススキみたいな長めの草で、ボールは転がらずに止まったのです。

これではナイスミス、ラッキーショットが出ないじゃないか。そのコースの購入はやめました。やはりこちらはアマチュアですから、マウンドに飛べば、ボールは転がり落ちないと。ちなみに今のホームコースは、よくボールが転がって打ちやすい。というわけでナイスミス、わりと頻繁に出ます。ゴルフの神様に感謝ですね。

教える人/木村和久

「89ビジョン」をはじめ様々なゴルフの楽しみ方を提案するコラムニスト。ベストスコア75。01年鶴舞CCキャプテン杯優勝。ゴルフ歴は35年。現在は扶桑CCのメンバー

週刊ゴルフダイジェスト2025年10月21日号より