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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.130「上りのパットを残す」が最善とは限らない

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

パッティングのラインは上りを残そう! ってよく言うよね。理由は上りのパットのほうが簡単だから。

この理論、間違ってはいないかもしれない。ただ、ボク自身はまったくこだわっていない。グリーンのどこに乗ってもいいと思っている。ファーストパットが上りのラインだろうが、下りのラインだろうが、どっちでもいい。いっくら上りを残しても、ミスするときは、ミスするし。逆に、下りだって入るときは、入る。そう考えると、すっごくグリーンがでっかく感じる。こっちのメリットのほうが大きい気がする。

グリーン上の上りのライン。それって、もはや点だよね。グリーンは直径30Yぐらいあるから、本当はかなり広い。それを、わざわざ狭く考えてどうするの? って話よ。もちろん、狙い通り打てればいいけど、上りのラインを狙って、グリーンを外すと、大抵、難しい状況が残るからね。バンカーに入ったり、池に入ったり、深いラフに入ったり…。設計者は賢いので、そういうふうにつくっているのだ。その策略にハマるのなら、別に上りのラインを残すことにこだわらんでもいいと思う。

もし、是が非でも上りを残したいなら、無理してグリーンに乗せようとせず、とことん手前を狙う。それだったらアリかな。あえてカラーとか花道とか。それなら上りが残って、なおかつ狙いどころも広いので簡単だ。

逆に、2段グリーンの上段にピンが切ってあるときは、とことん奥を狙うのもあり。手前から上りのラインにつけても、すっごいロングパットが残ったら3パットだし、下手すれば戻ってきてグリーンから出ちゃうこともあるからね。それなら、断然ピン奥のほうがいい。突っ込みすぎてグリーンオーバーしても、奥は大抵、下っているから、返しはそれこそ上りになるしね。

ほかにも、上りのアプローチはフワッと上げ、下りのアプローチは転がすのが正解。という理論を聞いたことがあるけど、むしろ反対でしょって思う。上っているグリーンに対し、どのくらい上げて、どこに落とすか、読みが相当難しいよね。それより強めに転がしちゃったほうが簡単。地面を転がってくれれば、ラッキーで入ることもあるし。それなら下りも転がしたほうがいいのでは? と思うかもしれないけど、下りは上りと違って強弱が難しい。だから、上げたほうが簡単。ミスってオーバーしても、返しは上りのパットになるからね。

上りのラインを残すことを意識しすぎると、グリーンの狙い所が小さくなる。どこに乗ってもいいと考えたほうがグリーンを広く使え、気楽に打つことができる

というような持論を、以前、キャディのバイトをしたとき、お客さんにアドバイスしたことがあった。その方はベスト83だったんだけど、ボクのアドバイス通りにアプローチしたところなんと75が出た。予想外のベスト更新に、すっごい喜んでいたけど、ボクも嬉しかった。ゴルフはいかに考え方が重要か、再認識できたからね。

というわけで、グリーンを自ら小さくするのはもったいない。ぜひ、大きいまま使ってくださいませ!


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2019年11月5日号より