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「優勝を見せたかった…」いろいろありすぎたトーマス、最愛の祖父に捧ぐV

第5のメジャー、プレーヤーズ選手権でジャスティン・トーマスが逆転優勝。ここ数カ月、さまざまなことがあっただけに勝利の美酒は格別だった。

2週連続最終日最終組と目下絶好調のブライソン・デシャンボー&リー・ウエストウッドを破り今季初、ツアー通算14勝目を挙げたトーマス。ラウンド後のインタビューで涙を見せたのは、万感迫るものがあったから。

21年初戦のセントリートーナメントofチャンピオンズでトーマスは、自分のミスに腹を立て同性愛者を差別するNGワードを口走ってしまった。すると、直後にラルフローレンがスポンサー契約を解除。苦境に立たされた。

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追い打ちをかけるように2月のフェニックスオープン最終日の早朝、最愛の祖父・ポールさんが89歳で他界。「トーマスの一番のファン」を自認し、孫の活躍を楽しみにしていた祖父は、ティーチングプロとして半世紀以上ゴルフに携わってきた人物。予選を勝ち上がって全米オープンや全米プロ、さらには全米シニアオープンにも出場経験がある強者だ。

「誰の言葉よりあなたの言葉が胸に響いた。愛してる。会いたくて仕方ない」と祖父が亡くなったときトーマスはSNSに心境を吐露。プレーヤーズでの優勝インタビューでも祖父の話題が出ると目に涙を浮かべ「(優勝を)見せたかった」と声を詰まらせた。

差別発言に対する批判、スポンサーからの契約解除、祖父の死……。トーマスの心境は私たちが想像する以上に千々に乱れたに違いない。それらを乗り越えてつかんだ優勝だからこそ今回は格別だったのだ。

これでフェデックスランク、世界ランクともに2位に浮上。メジャーとWGC、プレーヤーズ、年間王者の4冠を達成したのはタイガー、マキロイ、ヘンリク・ステンソンに次ぐ史上4人目。天国のポールさんのため、次はグリーンジャケットを狙う。

尊敬する祖父に捧げるV(写真は2020年WGCメキシコ選手権。PHOTO/Tadashi Anezaki)

週刊ゴルフダイジェスト2021年4月6日号より