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「ゴルフは決してフェアなことばかりではない」ウエストウッドの敗者の弁がメジャー級

アーノルド・パーマー招待でデシャンボーに1打差で敗れたのはリー・ウエストウッド。小欄で、トニー・フィナウがあと一歩のところで勝利を逃していることを「ゴルフ界の七不思議」と紹介したが、ウエストウッドがいまだメジャー無冠なのも、間違いなく七不思議に数えられるだろう。

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4月で48歳になるウエストウッドは、かつて世界ランキングトップの座をタイガー・ウッズに代わって射止め、計22週にわたって君臨したこともある。日本でも4勝しているが、なんといってもヨーロッパツアーで25勝という成績はお見事。しかしながら、メジャーではトップ5に入ること12回、再三優勝争いをしながらもいまだ戴冠なし。

今回のアーノルド・パーマー招待では不運もあった。最終18番でフェアウェイの絶好の位置にティーショットを運びながら、2打目がびっくりするほど“見事に”ディボット跡にイン。寄せることができなかった。しかし、本人は「不運は気にかけず次のショットに臨んだ。ゴルフというのは決してフェアであることばかりでない。ゴルフはメンタル面のチャレンジなんだ」とあくまで淡々。

かつて全英オープンで優勝を逃した際は「自分は悪いプレーをしていなかったが、素晴らしいプレーもしなかった」と敗者の弁。勝者を称え、タラレバ、不平不満はぐっとのみ込む。「人は負けた時に人格がわかる」といわれるが、このあたりは紳士の国・イギリスのゴルファーらしさ?

マスターズをつくった球聖ボビー・ジョーンズはかつて「私は勝った試合からは学ぶことがなかったが、負けた試合から多くを学んだ」と語ったことがある。そのマスターズでは、ウエストウッドは2位が2回、3位が1回と惜しい経験を積んでいる。85回目のメジャーチャレンジで、最高齢マスターズ勝者の栄冠と最高齢メジャー初勝利の栄誉をモノにしたら大喝采だが、さて……?

今年こそメジャー制覇なるか(写真は2017年全米プロゴルフ選手権。PHOTO/Tadashi Anezaki)

週刊ゴルフダイジェスト2021年3月30日号より