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理由は「やさしすぎる」から? トニー・フィナウ3連続2位でシルバーコレクター襲名か

優勝争いを続けるトニー・フィナウがまた勝てなかった。先のジェネシス招待でマックス・ホマとのプレーオフに敗れ、3試合連続の2位。もはや彼が勝てないのは「ツアーの七不思議」の1つだ。

フィナウが初優勝にして唯一の勝利を挙げたのはいまから5年前(16年)のプエルトリコオープン。そのときもプレーオフでの決着だったが、勝ちきってトロフィを掲げた。以来ここまで2位に甘んじること8回。完全なシルバーメダルコレクターである。

ツアー屈指の身体能力の持ち主で、飛ばしだけでなくショートゲームにも定評がある。ここ5年でトップ10入りはじつに37回。過去2年の成績が反映される世界ランキングでは未勝利ながら現在13 位につけている。

直近の1カ月はさらにすごい。アメリカンエクスプレスで4位に入ると、ファーマーズインシュランスで2位タイ。直後の欧州ツアー、サウジインターナショナルで2位。そしてジェネシスで2位だから、この4週間で約2勝分相当の賞金を稼いだことになる。

過去にもシルバーメダルコレクターと呼ばれる選手はいた。たとえばコリン・モンゴメリーやリー・ウエストウッド。だが彼らはメジャーに勝てなかっただけで通常の試合では何勝もしてきた。

バッバ・ワトソンも「飛ばすだけで勝てない」といわれた時期がある。だがデビュー5年目に初優勝してからは毎年1勝のペースで勝ってきた。

ではなぜフィナウほどの才能の持ち主が勝てないのか?

多くの人が指摘するのは彼の“優しすぎる”性格。生き馬の目を抜く世界で人を蹴落とそうなどとは思えない。プロコーチ内藤雄士の見立てはこうだ。「もしかすると関節が“緩い”のかもしれません。年をとって体が硬くなるとバランスがとれてくるビジェイ・シンのようなタイプなのかもしれません」

「勝つ準備はできている」と胸を張る本人。フィナウの全盛期はこれから?

今季こそシルバーコレクターの汚名返上なるか(写真は2020年ファーマーズインシュランスオープン。PHOTO/Tadashi Anezaki)

週刊ゴルフダイジェスト2021年3月16日号より