雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王女候補は今号から2週連続で“ゴルフがうますぎる双子の姉妹”をこ紹介。まずは、姉の岩井明愛さん（埼玉県川島町立川島中学校2年）の野性味あふれるスウィングを見てみよう。

今回の王女候補

岩井 明愛さん

いわい・あきえ　●主な戦歴／2016日本ジュニアゴルフ選手権 女子12～14歳の部 7位タイ　●ベストスコア 66（大麻生ゴルフ場）　●トレーニング／陸上部での部活動、週1～2で体幹　●練習／1日200球

ジュニアゴルフ界で噂の双子、岩井明愛さんと千怜さん。学校帰り、セーラー服姿で現れたふたりに会うなり

「美人姉妹だね、そっくり!」と絶叫する武市。

「自分たちは似てると思ってないんです」

というが、ルックスも、受け答えもシンクロするので、可愛さのあまりついつい笑ってしまう。

ゴルフの成績も均衡している。昨年は日本ジュニアでふたりともトップ10入り。そのほか、地方連盟の競技会で何度もワンツーフィニッシュを果たしている。ふたりとも8歳でゴルフを始め、同じ場所で練習し、同じティーチングプロに習っているので当たり前!? と思いきや、武市は「ふたりはまったく正反対のスウィング」だという。

お父さんにも話をうかがうと、

「ふたりは性格が違う」とのこと。ひと言で表現すると、姉は“野性的”で妹は“几帳面”らしい。

それを聞いた武市はすぐに納得!

「ゴルフは性格が出るっていうけど、本当だね。ふたりとも、同じくらい飛距離が出る。でも、方法が全然違うんだ。特徴はお父さんが表現するとおり。姉は本能で飛ばすタイプで、妹は正確性で飛ばすタイプ」

具体的には、どういうことなのか。まず姉の明愛さんから詳しく解説しよう。

武市いわく“本能で飛ばすタイプ”という明愛さんは運動神経バツグン。サッカーのリフティングが得意で、小中時代サッカーで岐阜選抜に選ばれた経験を持つ武市も真顔で感心。中学では陸上部に所属し足も速い。100メートルのベストは12秒台というから驚きだ。

「お姉ちゃんは完壁にアスリートだね。バネが強くて瞬発力がある。ゴルフに関しても、脚力を生かしたスウィングが特徴」と武市。

明愛さん自身も「トップで体重を右足に乗せて、ダウンで左足に乗せるイメージで振っています」という。つまり“体重移動”を意識したスウィングというわけだが、武市はひと味違った印象を持った。

「彼女の場合、テークバックでは右足の外側、インパクトからフォローにかけては左足の外側に力がかかってる。そこに、“絶対ボールを逃がさないぞ”という、本能が表れてる。姉妹ともフェースを閉じ気味のシャットフェースでクラブを上げるのは共通しているけど、お姉ちゃんのほうは、グリップをゆるめに握っていることで、テークバックで閉じていたフェースをトップからの切り返しで開き、インパクトで閉じて打つ動きを使って飛ばしているんだ」

足を使い体重移動して、腕を使ってクラブを走らせる。つまり、カ+スピードで飛ばすのが明愛さんのスウィングというわけだ。

「教わったわけではなく、本能でできてしまうのが彼女の持ち味」

ふたりは食の好みも異なる。姉の明愛さんは「おでん」「するめ」と渋好み。一方、JC（女子中学生）らしく「グラタン」が好物だという妹の千怜さん。さて、気になるスウィングは!? 次週!!

週刊ゴルフダイジェスト2017年2月21日号より

姉とは正反対!?
気になる千怜さんのスウィングとは……

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  【キミこそ王子だ】Vol.107　岩井千怜「手首をロック! シャットフェースで飛ばす妹」

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