【肩甲骨周りが硬い人の飛ばし方】#1 あなたは硬い? 柔らかい? 簡単セルフチェック法
「飛ばしには肩甲骨周りの柔軟性が大切!」と言われるが、そもそも自分は硬い? 柔らかい? まずは自分でチェックしてみよう。
PHOTO/Hiroaki Arihara Illust/Takanori Ogura THANKS/東京ゴルフスタジオ
解説/森守洋
アメリカでスウィング理論を学んだのち、帰国後は陳清波に師事。現在は複数のツアープロコーチを務めつつ、多くのアマにレッスンも行う。フィジカルに頼らないレッスンも好評だ
●CONTENTS●
1. 肩甲骨周りの柔軟性をセルフチェック
2. ヘッドを走らせるカギは「手首のスナップ」
3. 手首が柔らかく使える「犬の散歩ドリル」
肩甲骨周りの柔軟性テスト
手の甲を腰に当てた状態で
どれくらいひじを前に出せますか?
44歳を迎え、最近体が硬くなってきたのを感じている加瀬さん。以前は280ヤード近く飛んでいたというが、最近は230ヤード打つのが精いっぱいだそう。特に回転量に関係してくる肩甲骨周りの柔軟性をチェックするため、最長443ヤードの記録を持つ小井土峡太さん協力のもと、手の甲を腰に当てひじを前に出してみるとビックリ(予想通り?)、全然違う!
「加瀬さんの年代では平均的な硬さだと思います。小井土さんは元が柔らかいうえ結構ハードなトレーニングもしているので、落ち込む必要はありません」(森)
河本力や石川遼など、飛距離のある選手は総じてここが柔らかく、WBCで活躍した大谷翔平も、両ひじが前を向くほどの柔軟性だそう。
「おふたりのスウィングを見ると、肩周りの柔軟性の差が回転量に表れています」という森に対し、「じゃあ柔軟性を上げます!」と鼻息荒い加瀬さん。
「もちろんそれが理想ですが、トレーニングを続けるより、肩甲骨周りの硬さを補う動作を覚えるほうが現実的といえます」(森)
実際、森のもとを訪れる生徒さんたちでもトレーニングに励む人は少ないというが、飛距離を諦めているわけではない。
「は、早くその動作を知りたいです!」(加瀬さん)
加瀬さんの1Wスウィング
小井土さん1Wスウィング
肩甲骨の動きは6つ
外転
「前ならえ」の姿勢から腕を前に伸ばすことで外へ行く動き。僧帽筋や前鋸筋などが関係
内転
胸を張る姿勢で左右の肩甲骨同士が近づく動き。僧帽筋や大小の菱形筋を主に使う
拳上
肩をすくめることで肩甲骨が引き上がる動き。主に僧帽筋や肩甲挙筋、菱形筋が作用する
下制
すくめた状態から腕をだらりと下げることで肩甲骨が下がる動き。僧帽筋や小胸筋を使う
上方回旋
バンザイの姿勢などで肩甲骨の下角が外側上方に向かう動き。僧帽筋や前鋸筋が作用する
下方回旋
背中に手を回すときの動作などで起こる肩甲骨の下角が内側下方に向かう動き
肩甲骨周りが硬いと…
【テークバック】
右内転・上方回旋が足りずトップで手が上に上がる
バックスウィングは右肩甲骨が内転、両肩甲骨が上方回旋する。これらが弱いと途中から手が上に向き、不自然に担ぎ上げるようなテークバックとなる
【ダウンスウィング】
下方回旋・右外転が足りず右わきが空きカット軌道に
切り返し以降で両肩甲骨が外転、かつ下方回旋する。ここの動きが弱いとダウンスウィングで右肩が前に出たり右ひじが空き、カット軌道になりやすい
【フォロー】
左内転が足りずフィニッシュで手が上に
フォローからフィニッシュにかけては左肩甲骨の内転がメインとなる。ここが弱いと左サイドの“壁”を作ることができず、手も上に行きやすい
>>肩甲骨周りが硬い人でも大丈夫!
今の体で飛距離を伸ばす方法とは?
週刊ゴルフダイジェスト2023年4月11日号より