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【キミこそ王子だ】Vol.282 姉弟で関西ジュニア同時優勝! 姉は美しいドローを打つ名手

雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王女候補は、兵庫県出身、兵庫教育大学附属中3年の大西穂佳さんだ。前回紹介した大西晃盟くんのお姉さんでこちらも負けず劣らず注目株。いったいどんなスウィングなのか? 武市が迫る。

今回の王女候補

大西 穂佳さん

おおにし・ほのか ●主な戦歴/2022日本ジュニアゴルフ選手権 12~14歳の部 6位 ●ベストスコア/66(山東CC) ●練習/毎日2時間30分 270球強 ●トレーニング/体幹トレーニング(週1回)


7月に行われた「関西ジュニアゴルフ選手権(12~14歳の部)」で優勝した大西穂佳さん。なんと、この時男子で優勝したのは弟の大西晃盟くんだ。

穂佳さんが父親の勧めでゴルフを始めたのは5歳。同時にゴルフを始めた弟とは、よきライバルだ。ただ、「弟のアドバイスはスルーです(笑)」という穂佳さん。

そのスウィングを見て武市は「弟の晃盟くんは、いい意味で個性があってゴルフ職人っぽい雰囲気。対してお姉ちゃんは、打ち方が一貫していてすごくシンプル。同じ先生に習っていても、フォームは似ていないよね。でも、共通点もある。それは、下半身が安定していて、球のとらえ方にセンスを感じるところ」という。

穂佳さんの球筋は軽いドロー。何球打っても、大きく曲がることがなく安定感抜群だ。飛距離も申し分なく、さすが関西ジュニアチャンプ!


「穂佳ちゃんはアドレスでボールを少し内側にセットし、手の位置もハンドファーストではなく真ん中気味。そして、深いトップからの切り返しで、柔らかくクラブを下ろしてくるからタメが入る。ここが穂佳ちゃんのスウィングの特徴的な部分だよね。結果、ダウンスウィングでシャフトもしなるから、球にパワーが効率よく伝えられている」と武市。

ただ、シンプルなものほど、奥深く、難しいもの。ゴルフも例外ではない。穂佳さんは、どういうイメージでタメを作っているのだろうか。

「タメを作る意識はあるの?」

「いいえ、意識はしていませんが、ダウンスウィングで右ひじが体に近づき、タメを感じるときは調子がいいときです」

「意識すると絶対にタメは作れないよね。実はボクの知り合いで一生懸命にダウンスウィングでタメを作ろうとして肋骨を骨折しちゃった人がいるの」

「えっ、どうしてですか?」

「右ひじを体に寄せる意識が強すぎて肋骨をひじで突っつきすぎちゃったの」

「……」

「タメは作るものじゃなくて、自然とできるもの。これを理解している穂佳ちゃんはスゴいと思うよ。それを踏まえたうえで、さらにいい点は下半身が動きすぎないこと。穂佳ちゃんはバックスウィングで右足がほとんど動かないのが特徴。だから上半身と下半身の捻転差が大きく深いトップが作れる。その深いトップから手首のコックをキープしたまま、ダウンスウィングし、その際も、下半身がどっしりとし両ひざが流れないから、体も開かない。だから、自然とタメができ、クラブが体の近くを通ってくれるんだね」

「ゴルフって奥深いですね」

「だから、シンプルなことをシンプルにできる穂佳ちゃんのような人は強い! これからもその調子でがんばってね」

「ありがとうございます」

前途有望な大西穂佳・晃盟姉弟にこれからも期待したい。

週刊ゴルフダイジェスト2022年9月27日号より