「聖地というより“ゴルフの故郷”」セントアンドリュースの街を小澤美奈瀬がご案内!
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“ゴルフの聖地”セントアンドリュース。人口2万人にも満たないこの街に、全英オープン期間中は1週間で約30万人のギャラリーが世界中から詰めかけた。試合ももちろん盛り上がったが、セントアンドリュースは街自体も魅力的。現地観戦したレッスンプロの小澤美奈瀬が街の様子をレポート!
PHOTO/Tadashi Anezaki
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USLPGAティーチングプロの資格を持ち、自身の飛距離が1年で50ヤードアップした経験をもとにレッスンを行う。小誌ゴルフユニット「ゴルル」メンバー
“聖地”よりも”故郷”の呼び名が
しっくりくる
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多くの人がオールドコースのことを“ゴルフの聖地”と呼びます。恐らく「神が造ったコース」と言われていることから命名されたのでしょう。しかし、地元の住民やオールドコースをホームコースにする倶楽部のメンバーは、この地を「Home of Golf(ゴルフの故郷)」と呼んでいます。訪れてみて感じたのですが、セントアンドリュースには心が穏やかで親切な人が多く、確かに“聖地”よりも“故郷”のほうがしっくりきました。
故郷というだけあって、セントアンドリュースにはゴルフのルールを司るR&Aや、世界最古のコースといわれるオールドコースなど、何物にも代えがたい場所があり、ゴルフが生活の一部になっています。試合のない日曜にはコースが開放され市民の憩いの公園になるそうです。私たちには憧れのオールドコースですが、地元では特別なものではないんです。周辺を数分歩いただけで、いくつものゴルフショップや倶楽部の建物に出くわしました。
18番横は通称“倶楽部”通り
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セントアンドリュースをホームコースとする倶楽部は歴史ある「R&A」をはじめ13もあり、コース周辺に点在する(左からセントアンドリュースGC、セントルールC、ニューGC)
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18番に面した売り物件を発見
この街を本当の故郷にしたいと思うのなら、こんな物件も。18番ホールがすぐ目の前で、全英オープンも家から見られる。ちなみにお値段は約3億円!どんな人が買うのか……
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ゴルフショップが軒を連ねる
オールドコースへ続く道は「ゴルフプレース通り」と呼ばれているが、その一画にゴルフショップが軒を連ね、街を訪れたゴルファーだけでなく地元民でもにぎわっている
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ここがゴルフの総本山R&A
建物のなかにはメンバーとメンバーの同伴者しか入ることが許されない。“倶楽部ハウス”では、談話室はもとより、図書室やビリヤード台、バーなどでメンバーが交流している
中世にタイムスリップ?
歴史的建造物と石畳の残るストリート
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オールドコースを離れ、セントアンドリュースの街を散策。まずは「マーケットストリート」へ。その名の通り、レストランやカフェ、ギフトショップやブティックが立ち並ぶセントアンドリュースのメインストリート。古い街並みが残り、一部は石畳のまま。絵本でしか見たことのない古い中世の街にタイムスリップしたかのような気分になりました。
ふらりと入ったスタバが270年前の建物だと知って驚いていたら、街の中心にあるセントアンドリュース大学に行ってビックリ! なんと600年以上前に創立され、英国でもオックスフォード大学、ケンブリッジ大学に次ぐ3番目の古さだというんです。でも、どの建物も外観は古いのですが、内装はほとんどが近代的にリフォーム済みで、そのギャップに萌えました。
人はやさしく、雰囲気のある街並み。セントアンドリュースは、また訪れたい街でした。今度はオールドコースを回ってみたいですね。
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スタバが入る建物はなんと築271年
レストランやショップがズラリと並ぶ街の目抜き通り「マーケットストリート」。何気なく立ち寄ったスターバックスには「AD1751」の文字が掲げられていた。これは建てられた年を表していて、日本だと「暴れん坊将軍」徳川吉宗の時代
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ウィリアム王子とキャサリン妃も通ったセントアンドリュース大学
セントアンドリュース大学は、1413年に創立されたスコットランド最古の大学で、英語圏全体でも3番目の歴史を誇る名門。約20年前に英国王室のウィリアム王子とキャサリン妃がここで出会ったという
まだまだある
セントアンドリュース見どころ
ゴルフがあったオールドコースから歩いて約20分。市街地のはずれにひと際高くそびえ建つセントアンドリュース大聖堂。「ここは絶対に訪れたかった」という小澤美奈瀬。というのも、かつて全英オープンを何度も制した、ある偉大なゴルファー親子のお墓があるのだ
セントアンドリュース大聖堂
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大聖堂には1860年代に4回全英オープンを制したオールド・トム・モリスと、同じく全英に4回勝っている息子のトム・モリスJr.の墓がある。生家跡地にはプレートが張られていた
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郊外には蒸留所も
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キングスバーンズ蒸留所
元々はオールドコースから車で約15分のキングスバーンズGLでキャディをしていた創業者。訪れたゴルファーから、蒸留所に行きたいと言われるが、近くにはなかったことから2014年に出資者を募って造った蒸留所。地元の農家で栽培された大麦だけを使用し、蒸留所の地下100メートルからミネラル豊富な天然水をくみ上げて使用している
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エデンミル蒸留所
オールドコースをモチーフにかつてクラブに使われていたヒッコリーの木を漬け込み2016年からセントアンドリュースの街で造られているクラフトジン。ボトルのデザインも昔のゴルフボールのディンプルを模したものになっていてゴルファーへのお土産としてもピッタリ
週刊ゴルフダイジェスト2022年8月2日号より