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セルフプレー下で“第三者の目撃”は現実的? 「ホールインワン保険が下りない」問題で新潟県の男性が調停。約款の変更求め

先月、新潟でゴルフ保険に関わる調停が行われた。

新潟県在住の80代男性は2019年11月、同県長岡市のゴルフ場でホールインワンを達成。大手損害保険会社のゴルフ保険に加入していたので早速保険金の申請をしたが、条件を満たしていないと保険金30万円は下りなかった。その条件とは第三者の目撃がなかったこと。第三者には同伴競技者は含まれず、キャディや前後の組のプレーヤー、茶店の店員、コースの作業員などが含まれるが、男性は50人程度のセルフプレーのコンペに参加しており、当日は最終組。「前の組は3人だったので進行が早く、私たちが最終組だったので前後の組のプレーヤーが目撃者になることはあり得ませんでした」。店員や作業員もいなかった。

「私がプレーする新潟県のコースではキャディが少なく、周辺の7コースに常駐するキャディ数を調べたところ、ゼロが多く、いても2人または3人という回答でした。キャディ付きプレーにしたくてもできないのが現状です。また、茶店はほとんどが自販機に変更され、当然店員もいません。これでは、保険会社が求める条件を満たすのは事実上“不可能”と言える状態ではないでしょうか。全国に同じような経験を持つゴルファーがいると知り、今回、調停に踏み切りました」

5月27日に行われた調停では、(1)ホールインワン達成による30万円の支払い、(2)全国で同様のケースで支払い不可となった件数の開示、(3)約款の変更、を求めたという。保険会社の回答は(1)(2)については「No」。(3)については「ご意見として承ります」というものだったという。

「民法第133条に『不能条件』について記されていますが、これに関わる問題なのでは……」と男性。不能条件とは(1)不能の停止条件を付した法律行為は、無効とする。(2)不能の解除条件を付した法律行為は、無条件とする、というもの。ここでいう不能とは「実現することが不可能なこと」だが、たとえばキャディが2人しかおらず、有人の茶店のないコースでホールインワンを“目撃してもらう”ことが不能に当たるのか……。「ならば、パー3のグリーン付近にはカメラを設置するか、クラブの支配人による確認でも可とするなど、約款の変更を提案できればと考え、今回、調停を申し立てる決断をしました」と男性。

セルフプレー全盛の時代、何か動きがあるだろうか。2回目の調停は7月に行われる。

「第三者の目撃が必要」という約款は現代のゴルフプレーにはそぐわない?

週刊ゴルフダイジェスト2022年6月21日号より

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  • ゴルフにまつわるさまざまな問題に関し、読者や識者に率直な意見をぶつけてもらう連載「山を動かす」。今回のテーマはゴルフ保険について。いざというときのゴルファーの備え=ゴルフ保険、皆さんは入っていますか? ●ゴルフ保険をホールインワン保険のことだと思っている人が多いけど全然違う。私が一番不安なのは対人事故です。もう20年ほど前、ゴルフを始めたばかりのころ、私の球が隣のホールの人をかすめる事故を起こしたことがあります。幸いケガはなく、平謝りしてすみましたが、肝を冷やしました。ゴルフ保険とはこういうときのためにあるものかと、当時、一番安い年額3000円程度のものに入りました。(40代男性・東京都)●20年もプレーをしていて「保険に入っておけばよかったな」と思った経験が一度もないので、別に入らなくてもいいのかなと。私は女性で球も飛ばないので、隣のホールをプレーしている人に当てるなんてこともまずなさそうだし、自分のケガは普通の医療保険などでカバーされると思っているので。(40代女性・東京都)●バブルの頃、友人の付き合いで加入。詳しい内容も聞かずに入ったら、毎月1万円も引き落としになっていてびっくり。しかし、その数カ月後、ホールインワンを出し、なんと100万円下りた。いまは、そんな高額が下りる保険もないと思いますが……。その後、もっと安い保険に入り直したら、その数年後、またもホールインワン。大喜びしていたら、保険を自動更新にしていなかったので、すでに期限切れ。悔しくて自動更新にしたら、それからホールインワンは出ていません。(70代男性・千葉県) ホールインワンが出たらうれしい反面冷や汗!? ゴルフ場でのケガは実はそれほど珍しいことではない。要注意 ●フランスのコースでホールインワンを達成。保険は入っていましたが、海外でのプレーはホールインワン保険の適用外。しかし、フランスではコースにいる人たちみんなでお祝いしてくれて王様気分。出した人がふるまう習慣は日本や韓国ぐらいのようです。(70代男性・神奈川県)●週イチゴルファーですが、当然入っています。対人事故が怖いですから。とはいえ、今のところ幸い事故はなく、クラブの破損で補償を受けた経験が20年で2回。最近は若い人もゴルフを始める人が多くて、いいことだと思うんですが、ゴルフ保険の存在や事故の怖さを知らない人が多い。コースのネット予約時に広告を出すとか、保険に加入しているかどうかチェックする欄を作るとか、保険に入っている人を割り引くくらいの特典があったほうがいいと思います。ラウンドごとに加入できるタイプもあるので。(40代男性・東京都)●ホールインワン保険の部分に絞ってお話しすると……。セルフプレーが主流になっている現在、個人がホールインワン保険に入っていても、その認定を巡ってモメることが多いようです。これは個人が保険をかけているから。それならゴルフ場がかければいいのでは? というのが僕の提案です。ホールインワンを達成して、お祝いをするという日本的文化はぜひとも残してもらいたいという立場をとります。腕前の巧拙を問わず、一生に一度あるかないかの慶事。ちなみに僕は8回達成しているものの、一応プロゴルファーなのでゴルフ保険には入れていませんが。セルフプレーが当たり前の米国ではホールインワン保険は存在しません。達成した人がクラブハウスにいる人たちに一杯振る舞うぐらい。しかし、僕は日本の風習のほうがいいなと思うので、ゴルフ場が保険をかけておいてお祝い金をあげるのがベターでは? さて、セルフプレーでも保険が下りるケースもあります。伊豆大島リゾートGC(9ホール、旧大島GC)では2つのパー3にティーからグリーンまでを映す高性能カメラを設置していて、ホールインワンの模様もバッチリ撮れ、保険も下りる仕組みをつくっています。ゴルフ場側が保険をかけているのは集客のツールにもなると思います。(タケ小山/テレビ解説者、プロゴルファー)●大コンペで他人の打球が眼鏡を直撃した打球事故を目撃したことがあります。ガラスが割れ、目の周りから出血していましたが、もし眼球を直撃してその人が失明でもしたら大変だったと思います。幸い、ケガをしたほう、させたほう、両方とも保険に入っていたそうです。(70代男性・埼玉県)●20年前にホールインワンをやりました。保険にも入っていたし、とにかくうれしくてキャディさんにはチップを1万円渡し、同伴者には高級焼肉をおごると約束。それが保険会社に確認すると、契約が更新されていなかった。約束した手前、会食は実施し、懐寒しとなった。(70代男性・東京都)●傷害保険はゴルフをやる人なら必須だと思います。ただ年に1、2回しかやらないならホールインワン保険はなくてもいいのでは。月イチ以上やるゴルファーなら、ホールインワン保険も付帯しておいたほうが無難です。傷害保険が必須だというのは、最近のゴルフ事情からです。コロナ禍を契機に若い人たちが増えました。ゴルフ場にとっては嬉しいことですが、ルールやマナーを知らないビギナーが増えたということでもあります。昔なら会社の上司やらが教育係を務めたり、キャディが最低限のことは教えたりしたのでしょうが、今はセルフプレーが当たり前。しかも仲間同士だけで回るケースも多い。「フォアー」の掛け声をするのさえ知らない人もいると聞きます。そこで怖いのはさまざまな事故です。打球事故はむろん、木の根っこで転ぶなどの事故もあります。以前ならゴルフ場が傷害保険などに入っているのが普通だったのですが、今や経費節減で一流コースさえ入っていないところも多いといいます。いちばん怖いのは自分のケガより相手を傷つけること。莫大な損害賠償を負うケースもあります。「自分の身は自分で守る」ということで、傷害保険は必ず入っておこうというのが、私からのアドバイスです。(菊地英樹/ゴルフ場経営コンサルタント) 週刊ゴルフダイジェスト2022年6月21日号より みなさまからのご意見、お待ちしています! 投稿フォームはこちらから こちらもチェック!
  • コロナ禍で、以前よりも若い世代がゴルフ場へ足を運ぶようになってきている。この流れを加速させようと舵を切ったゴルフ場がある。 東京から120キロ、伊豆大島にある“伊豆大島リゾートGC”がそれだ。同GCの前身は1956年にオープンした大島GC。藤田観光(株)がホテルとともに経営・運営してきたが、01年にケータリングや給食事業を手がける東京ケータリング(株)に事業譲渡。さらに今年、清掃・設備管理業務を展開する(株)アメニティコーポレションの傘下に入り、ゴルフ場の名称も変更した。同コーポレーションは、さまざまなリニューアルを敢行。もともと多くのホールがオーシャンビューという絶景のロケーションだったが、まずは9ホールのコースを一部、2グリーンにしたり、ティーイングエリアやカップ位置を変えることで、18ホールとしても楽しめるようにした。セルフで、2人用のカートでフェアウェイへの乗り入れも自由。レンタルクラブも多くのコースにありがちな旧モデルでなく、最新モデルを用意した。また、プレースタイルも一新。以前のドレスコードを撤廃し、Tシャツ、短パンでもラウンドできるようになった。さらにクラブハウスも改装した。ロビーの横にカフェテリアを新設し、シャワー室も完備。若いカップルゴルファーが喜びそうな内容が満載だ。「“リゾート”と名付けている以上、若者だけでなく、観光客の方々にも気軽に来てほしいと思っています」(伊豆大島リゾートGC・加藤るみ氏)ユニークな試みもある。8番と17番を兼ねるティーにはホールインワン無人確認機を設置。ティーからグリーンまで撮影できるカメラをセットし、ホールインワンの申告があれば、映像で確認できる仕組みだ。ロビーには、ホールインワン保険に加入するためのパンフレットも置いてあるという準備の良さ。こうした試みについて、ゴルフ場運営コンサルタントの石井米二郎氏は「コロナ禍で若者たちがゴルフに目を向けているのを定着させるため、先手を打っていくことが大事。この意味では近い将来を見据えたリニューアルだと思います」。ただ、観光地の大島は現在、苦境にある。コロナが落ち着いた後から攻勢に転じたいと同GC。そのために東海汽船とコラボした集客プランも打ち出していくという。 島ならではの風光明媚なロケーションが自慢の伊豆大島リゾートGC 週刊ゴルフダイジェスト2021年10月19日号より