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【キミこそ王子だ】Vol.275 スウィングはきっちり、性格はちょっぴり天然? 関西に現れた超新星

雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王女候補は、兵庫県出身、尼崎市立塚口中学校2年の岩永杏奈さんだ。3月の「全国中学校ゴルフ選手権」で3位となった逸材。ナイスショット製造機のようなスウィングを武市が大絶賛!

今回の王女候補

岩永 杏奈さん

いわなが・あんな ●主な戦歴/2022 全国中学校ゴルフ選手権春季大会 3位タイ ●ベストスコア/66(ジャパンビレッジGC) ●練習/週6回3時間400球 ●トレーニング/週1回 体幹トレーニング


岩永杏奈さんがゴルフを始めたのは5歳。父親から手ほどきを受けると、小学2年で海外遠征をするまでに上達。今年の春に行われた全国大会では上位に食い込み、一躍注目選手となった。現在は、さらに上を目指すべく、3人のプロに教わっているという。

スウィングは、さすがに上出来! 持ち球はドローボールだが、いい意味でオートマチックなので、練習場であれば、何球打っても同じ球が出そうだ。

「ミスになる要素が見当たらない」と武市も絶賛した。


「まず、グリップがキレイなのがいいよね。そして、アドレスで若干ハンドダウンにし、最初からボールをつかまえやすいカタチをつくっておき、あとは、シンプルに上体を回転させるだけ。手をコネる操作が全くなく、手首の角度もアドレスのまま。だから、クラブが自然とインサイドから入って、インサイドに抜けていく、いわゆるイン・トゥ・イン軌道となる。オートマチックだから、リズムもいいし、再現性も高い。すばらしいスウィングだと思う」

「ありがとうございます」

「もちろん、前傾姿勢が崩れたり、腰の回転が止まるとミスにつながるわけだけど、今、見る限りでは、その辺もバッチリ、コントロールされている。だから、ミスする気配が全くないよね」

「ありがとうございます」

「スウィング中、意識していることはある?」

「右手親指と人さし指の“Vの字”をキュッと締めて打つことです」

「なるほどね。どうして?」

「理由は分からないのですが、コーチに言われたので(笑)」

「いいね! 右手の親指と人さし指が緩んでいると、トップでクラブが“Vの字”のくぼみに入ってしまい、クラブが暴れちゃうよね。そうすると、軌道がずれてしまうからね。アプローチに限っては、距離感も狂うから、すごい重要なポイントなんだよ」

「そうなんですね! だから、当たるようになったんですね。もっと締めます(笑)」

スウィングは隙がなく完璧だが、性格はちょっぴり天然な杏奈さん。そのギャップに親近感を覚える。

「杏奈ちゃんはゴルフが大好きで、練習も好きそうだよね」

「ゴルフは好きですがアプローチ練習はあまり好きじゃないです」

「そっか(笑)。憧れの選手は?」

「西郷真央プロや西村優菜プロです」

「お~! 彼女たちも高校生のとき、この連載に登場してもらったんだよ。西村プロは5~6年前、西郷プロは4年前ぐらい? 今じゃ、2人とも押しも押されもせぬトッププロ。ジュニアから憧れられる存在になったなんて、なんだか感慨深いよ。あと何年かしたら、杏奈ちゃんもそういう存在になるんだろうな~。将来の目標は?」

「世界で活躍する選手です」

この日は、緊張のためか、口数が少なかった杏奈さん。しかし、「彼女はゴルフの素質はもちろんだけど、実は、おしゃべりの素質もありそうな気がする(笑)」と推測する武市。いろんな意味で今後が楽しみな選手だ。 

週刊ゴルフダイジェスト2022年6月14日号より