Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • 週刊GD
  • 【キミこそ王子だ】Vol.269 グリップを直して“左”を克服! 高いミート率で勝負する九州の注目女子

【キミこそ王子だ】Vol.269 グリップを直して“左”を克服! 高いミート率で勝負する九州の注目女子

雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王女候補は、福岡県出身、沖学園中学校3年生の左奈々さん。中学生ながら昨年の日本女子アマで6位に入った強さの秘密に武市が迫る。

今回の王女候補

左 奈々さん

ひだり・なな ●主な戦歴/2021 日本女子アマチュア選手権 6位タイ ●ベストスコア/63(伊都GC) ●練習/毎日300球強 ●トレーニング/体幹トレーニング中心


「全国中学校ゴルフ選手権」の団体戦で3連覇。昨年の「日本女子アマチュアゴルフ選手権」では中学3年生ながら6位タイという立派な成績を残している左奈々さん。

ゴルフとの出合いは小学校1年のとき。最初はまったく当たらなかったが、負けず嫌いな性格のため、逆にハマってしまったそうだ。

スウィングを見て武市は

「メチャクチャいいね」と絶賛。

しかし、当の本人は、納得がいかないご様子……。

「実はちょっと前にグリップを大改造したので、まだしっくりきていないんです」

「どこをどう変えたの?」

「左手がかなり強めのフックグリップだったので、それをスクエアにしました。それに伴い、スウィングも直しました」

改造前はフックグリップだったので、球がつかまりすぎて困っていたという。


「“左”という名前を、真っすぐ、に改名したかったです(笑)」

「球をつかまえるために、子どものときは、フックグリップでゴルフを覚えるからね。力のない女子は特に。でも、やっぱりゴルフの基本はスクエアだとボクは思うから、改造して正解。よく決断したね」

「直したほうがいいっていわれていたんですが、怖いのでずっと先延ばしにしていました。でも、去年、あまり成績がよくなかったので、それを断ち切るために決断しました」

グリップを変えるのは、本当に勇気がいること。それを実行した、「彼女の英断に大拍手!」と武市。

「球がつかまるフックグリップだと、逆につかまりすぎちゃう場合もある。それを、スクエアグリップにし、クラブの軌道も少しアップライトに修正することで改善した。やっぱり、そのほうが動きも見た目もシンプルでいい。奈々ちゃんは、グリップを変えたことで、手元の動きが小さくなり、ヘッドを大きく動かせるようになったから、すごく効率よく飛ばせている。インパクトの音がいいもん。芯をとらえてる証拠だよ」

スウィングは調整中なので、ミスすることも少なくない。それでも彼女は「自分は元々、ヘッドスピードが速くないので、振って飛ばすのではなく、ミート率で勝負するタイプ。今はまだ、時々右へ飛んじゃうけど、がんばって練習して、身につけたいと思います」と前向きだ。

その発言に武市は感心。

「中学3年で、自分をちゃんと理解してるなんて素晴らしい。スクエアグリップのほうが、フェース面の管理をしやすいから、ミート率勝負だったら、なおさら改造に踏み切って正解! 慣れて気持ちよく振れるようになったら、当然、今以上にミート率も上がるはず」

4月から高校1年になる左さん。

「今年は『日本女子アマ』で5位以内、そして全国大会で上位を目指しています!」と意気込みを語ってくれた。

「いやいや、奈々ちゃんのポテンシャルはそんなもんじゃない。優勝目指してがんばって!」とエールを送る武市であった。

週刊ゴルフダイジェスト2022年3月15日号より