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【キミこそ王子だ】Vol.266「シャットフェース&レイドオフ」世界標準のスウィングを持つ岐阜の期待の星

雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回紹介するのは、岐阜県出身、可児市立中部中学校2年の水谷海琉くん。世界標準ともいえる美しいスウィングを武市は絶賛!

今回の王子候補
水谷海琉くん

みずたに・かいる ●主な戦歴/2021 全国中学校ゴルフ選手権5位タイ ●ベストスコア/69 (愛岐CC) ●練習/週4回1~2時間200球ほど ●トレーニング/週1回体幹トレーニング


岐阜生まれ、岐阜育ちの水谷海琉くん。昨年、「中部ジュニア」「全国中学校ゴルフ選手権」などの大会で好成績を収めたこともあり武市がずっと気になっていた選手だ。

彼がゴルフを始めたのは、小1のとき。父親と一緒に練習場に行き、遊び半分で球を打ったところ、のめりこんでしまい、気づけばプロを目指すまでの実力に。

そんな彼のスウィングを武市は「“でら”綺麗なスウィング。世界標準のお手本だね」と絶賛した。

では、武市の考える「世界標準」とは何か。それは、いわゆる“レイドオフ”のこと。ざっくりいうと、ポイントは2つ。


1つ目はバックスウィングでフェースをシャットに上げ掌屈させる。

2つ目は飛球線後方から見たときにシャフトが目標より左を指す。

「曲がらず飛ばせるスウィングとして、世界のトップ選手の多くが追求する、いわば世界標準やね。まさか岐阜の田舎で世界標準を見ると思わなかったわ(笑)」

地元を愛するあまり自虐ネタを盛り込む武市(※岐阜のみなさん、すみません。“翔んで埼玉”の岐阜版だと思っていただければ)。

「スウィングは誰かに教わっているの?」

「はい。岐阜の井ノ上雅浩プロです」

「お~知ってるよ。むかし一緒に試合に行ったことある仲間だよ。世界標準を教えるなんて、ヤルね~。井ノ上プロはほかに何て言ってた?」

「とにかく振って飛ばせ! そのためには、体の右サイドでクラブを振れ! と言われます」

「いいね! フォロー側で振れ! みたいな意見もあるけど、ボクは断然、右サイド派。ダウンスウィングの際、クラブが時計でいう8時(正面から見たとき)にきたときに、加速させることを意識してきた。だって、インパクトより前に力を使わなきゃ、ボールに力が伝わらないよね」

「そう思います」

「レイドオフで方向性をキープしつつ、飛ばすために、右サイドでクラブをさばく。海琉くんのスウィングは、いうなれば、世界標準と岐阜標準のコラボだね。“でら”いいじゃん」

「ありがとうございます」

「ほら、岐阜出身だって言うと、『岐阜って何県?』とか『岐阜って県あったっけ?』とか言われるじゃん?」

「え、そうですか?」

「海琉くんも東京に行ったらわかるよ(笑)。たしかに、海もないし、目立たない存在だけど、ゴルフに関しては捨てたもんじゃないよ。松山英樹プロが愛媛や宮城を世界に知らしめたように、海琉くんが岐阜をこれから世界に宣伝してよ!」

「はい、がんばります」

「翔べよ海琉! 翔べよ岐阜!」

新年早々、変な期待を背負わされて、微妙な表情の海琉くんだったが、きっと彼ならやってくれるに違いない!

週刊ゴルフダイジェスト2022年2月1日号より