【キミこそ王子だ】Vol.337 飛ばしよりも「曲げたくない」世界基準のスウィングを磨き上げる逸材
雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王子候補は東京都出身、大田区立東蒲中学校3年、神永直輝くんだ。中3にしてすでに世界基準のスウィングを習得しつつある乗りに乗っている選手。ショットの正確性に武市もほれぼれ!
今回の王子候補
神永 直輝くん
かみなが・なおき ●主な戦歴/2024 全国中学校ゴルフ選手権大会 優勝 ●ベストスコア/64(ピートダイGC VIPコース) ●練習/1日200球 ●トレーニング/ストレッチを少々
6月の「関東中学校ゴルフ選手権」、8月の「全国中学校ゴルフ選手権(通称:緑の甲子園)」で優勝した神永直輝くん。いま最も輝いている選手のうちのひとりだ。5歳のとき父親の勧めでゴルフスクールに通ったことでハマり、もっと上手くなりたいという思いから、マンツーマンでコーチの指導を受けることに。小5から現在までジュニア指導に定評のある百瀬力弥プロに教えてもらっている。ラウンドでの実戦的なレッスンも多く、直輝くんはショートアイアンの正確性が武器。
ドライバーは270ヤードで「飛ぶほうではありません」と言う。
そんな彼のショットを見た武市は「どえらいキレイなスウィングだね!」と驚きを隠せない。
「世界基準ともいえるシャットフェース&レイドオフのお手本のようなスウィングだね」
「カタチはかなりこだわっています」
「どんなところに?」
「トップでのシャフトとフェースの向きです」
ゴルフに関しては、かなり自分に厳しいタイプだという直輝くん。少しでも気になることがあると、スウィング動画を送りコーチにアドバイスしてもらうのだとか。
周りのジュニアと比べて、球を打つ量は多くないと言うが、こだわりへの追求は人一倍。
中2までは、大きな試合で勝ったことはなかったが、中3になり彼なりのこだわりが成績につながった。
「スウィング自体はもうプロじゃん(笑)。絶対、左には行かせないぞっという意思が伝わってくる
ね」
「自分的にドローは気持ち悪くて」
「バックスウィングで左手首を掌屈させ、シャフトが目標の左方向を指すレイドオフにする。ダウンスウィングは上体の前傾角度を保ったまま左足かかとに体重を乗せながら回転している。レイドオフだから、スウィングプレーンに乗せやすく、あとはヘッドの入れ方とフェース向きを微調整するだけで、自在に思った球を打ち出せる。だから、ライン出しショットもやりやすいので狙い打ちができる。アイアンが得意だというのも納得だね」
「ありがとうございます」
「中学生といったら飛ばしたい年ごろだけど、スウィングのカタチを作ることに主眼を置いているから自制できるのが素晴らしいね。時には、思い切りぶっ叩いてやる〜みたいなときはないの?」
「曲げたくないのでないです」
「ボクが中学生のときとは違うね、失礼しました(笑)」
「今は4日間戦える体力を付けるのが課題です」
「いっぱい食べて、トレーニングしてがんばってね!」
ますますの活躍が期待される選手との出会いに、今回も胸を弾ませる武市であった。
週刊ゴルフダイジェスト2024年11月12日号より