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ゴルフの楽しさ再発見! ジュニアと障害者がペアを組んでプレーするゴルフ大会が君津市で開催

「第1回君津市長杯ジュニア育成障がい者ゴルフ交流大会」が3月中旬、新君津ベルグリーンCCで開催された。「ゴルフから始まる新しい交流」をレポート!

PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/新君津ベルグリーンCC 

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障害者とジュニアが
ゴルフで会話!

本大会は、関東高等学校・中学校ゴルフ連盟(KHGA)が募集したジュニアゴルファーと日本障害者ゴルフ協会(DGA)の障害者ゴルファーがペアを組み、交互に打ったボールのスコアで競うもの。

「以前、DGAさんの全国大会で地元の高校生がボランティアとして参加したんです。それを見て、今度は一緒にラウンドしたらいいのでは、と。ジュニアが障害を持った方と1日プレーすることで、ボランティアとはまた違う、何か得るものがあるはずだと。ペアでお互いにリスペクトして助け合いながらプレーすれば達成感もあるはず。1回で終わるのではなく、ステップを重ねていくことが大事だと考えています」とKHGA事務局の緋田幸朗氏。

開催コースがある地域であり、大会趣旨に賛同した君津の「市長杯」の冠も付く。

石井宏子君津市長は、「今後もこの大会が2回、3回と継続していくことを心より願っています。君津市としても、誰もが気軽に運動やスポーツに触れ、楽しむことができる環境づくりを目指して、障害者スポーツの普及、振興に力を注いでいきたいです」とあいさつ。

30組のペアが、それぞれスタートしていった。

自身も障害を持つ子の親である石井市長。「こういう機会に交流を持ち、大会を長く続けてほしい。ここからプロが出たらいいですね」

最初は、緊張からか会話も少なかったが、そこは「ゴルフが好き」な競技者同士。プレーに入ると、真剣に集中しながら1打でも上を目指す。交互に打つペアだからこその“協力”も自然に出てくるのだ。

日本初の義足のティーチングプロ、吉田隼人のペアは吉田のレッスンを受けながら楽しくラウンド。

「わからないところも気軽に丁寧に教えてくれるので嬉しいです。低い球の打ち方やマネジメントを教わりました」(酒井優希さん・高2)。「高校からゴルフを始めた彼に、今日は100切りを目指そうと。彼が知りたいことを優先して、よりゴルフが楽しくなるように盛り上げていきました」(吉田)

沖津眞澄さんは「ちゃんと答えられた?」と“相棒”の取材対応も心配しながら「上手かったよ~」とべた褒め。吉岡陽桜里さん(高2)は、「すごいです。片手であそこまで飛ばせるのは、ミート率が高いから。新鮮で楽しかったです」としっかり答えてくれた。

山田洋樹さん・三森喜代美さん兄妹は、「皆すげーなって」「上手いなんてものじゃない」と感心しきり。同じ組で回った渡邊築樹さん(高1)は「普通に上手です。ペースも前から離されたりしないですし。楽しそうです」、篠原優菜さん(高2)は「ゴルフ的にも何の遜色もないのですごい。障害なんて全然関係ないです」

長身ダンディな廣田和実さんは、急遽欠席者の代わりに出場した大学生、出水田裕輝さんとのラウンドに「どこからでも乗っけてくれる。そのうち試合で優勝できるよ!」とお墨付きを与え、出水田さんは、「楽しかったです。僕なら左手でラウンドできない。クラブの使い方も上手いんです」。

ボランティアとして参加した元ドラコン女王の齊藤かおりは語る。

「技術もですけど、ゴルフに対する姿勢が勉強になります。ないものねだりはせずに、あるものでどうするかを工夫する。道具の使い方や、打つ前のアドレスのポジションなどが決まっているのできちんと飛ぶ。面づかいが上手だからターゲットにきちんと運べるんです。ジュニアとの交流ってどうなるのかな、と思っていたし、最初のほうはよそよそしかったけれど、ホールを重ねるごとに同じチーム同士サポートし合って、クラブを入れ合ったり、気遣いしながら相談しながら攻めていくようになっていくのが面白かったですね」

※文中の学年は試合開催の3月時点のものです。

この日も多くのことを学んだ。将来的にはプロを目指す者も、進学する者もいるが、ゴルフは何らかの形で続けたいというジュニアは多い

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週刊ゴルフダイジェスト2024年4月16日号より