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プロ&トップアマに聞いた【力をもらった“言葉”】#1 勝みなみを女子OP優勝に導いたアントニオ猪木の言葉とは?

ゴルフに限らず、誰かの「言葉」で気持ちが軽くなったり、やる気になったり、力をもらったという経験は誰しもあるだろう。今回は、自分のゴルフの糧となった「言葉」について、プロやトップアマに聞いた。

PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa、Shinji Osawa、Yasuo Masuda

“腑に落ちた言葉”は
言葉以上の価値を持つ

なぜ、言葉がチカラになるのか。トップアスリートから企業人までを指導するメンタルトレーナーの阿部久美子さんによると、

「言葉は、人が生きていくなかで価値や信念を構成するもとになっています。プロアマ問わず大切な言葉は“心の軸”になっていくんです。私たちは言葉で考え、言葉で決断し、言葉で励ましたり言葉で伝えていきます。生きていく道の隣にはいつも言葉があるんです。また、目標設定をするとき『言葉+イメージ』を使う選手も多い。特に『この言葉がいい』と腑に落ちた言葉は、それぞれの選手が単なる言葉としてとらえているのではなく、言葉+言葉から想起するイメージも一緒に無意識層に入れていることから、言葉はチカラになっていくんです」

最も腑に落ちた言葉、響いた言葉、直感的にいいと感じた言葉は、自分自身が望んでいた言葉であり、今の自分の境遇に一致している、自分が欲している、そして心のなかにあるものを代弁してくれた言葉だと阿部さん。

「言葉から想起するイメージ、たとえば猪木さんが横にいて動かしてくれるような、そんなイメージも持っていたかもしれない。行動を促してくれるイメージもあると思います」

“迷わず行けよ”

アントニオ猪木

「ずっと考えながらラウンドしていました」(勝みなみ)

「すごくよい歌詞の歌を見つけたんです。アンパンマンのマーチですが、涙が出るくらいよい曲だなと思って、クルマのなかでもランダムで流したりしているんです。そして、最近はアントニオ猪木さんの『道』の動画もクルマで流しています。母は号泣です。私は携帯にも保存していますけど、見るたびにウルッときて。自分のことを言われているみたいな感じがして、(女子オープン最終日)『迷わず行けよ』って、ずっと考えながらラウンドしていました」

“Dig it out of the dirt.”
(掘り起こせ!)

タイガー・ウッズ

「次世代ゴルファーに残す言葉です」(レックス倉本)
「タイガーが昨年のPNCチャンピオンシップで息子のチャーリーとのラウンド後に次世代のゴルファーのために残した言葉です。アメリカでは試合中、執念、根性、集中力で耐えて戦うことを表す『Grind』という言葉をよく使います。その大切さを尋ねられタイガーは『Grindは実際は普段の練習場から始まる。トーナメント中にGrindすることは簡単で、すべては準備をする過程の努力が一番大切だ』と。そして『Dig it out of the dirt』。直訳すれば『泥の中から掘り出せ』、土の中(芝生の底)からGrindできる自分を見つけろ! 作り上げろ、練習しかない! ということ。どれだけの努力の積み重ねが彼のプレーを支えているか想像もできません。もうすぐ60歳を迎える私も改めて努力の大切さを考えさせられ、頑張る力を与えてもらっています」

“最後まであきらめないこと”

王貞治

「窮地に立たされたときに頭に浮かぶ」(松尾律子さん・49歳・HC3.8)
「20歳の頃キャディの仕事をしていたとき、王貞治監督(当時)に付き伺いました。よく聞く言葉ですが、実に難しいこと。でも私も最後の最後まであきらめずに終えたときは、必ずよい結果が出ている気がします。窮地に立たされたとき、ふと頭に浮かぶ言葉です」

“メンタルコーチは連れていく”

ブルックス・ケプカ

「メンタルマネジメントの重要性を再認識」(小林隆寿さん・53歳・HC+1.2)
「B・ケプカがいつかの全英オープンで『スウィングコーチは連れて行かないけど、メンタルコーチは連れて行く』と言っていた。私もその後1年ほどメンタルコーチをつけトレーニング。ゴルフの成績は比較的安定し、今でもいろいろ役に立っています」

>>まだまだあるぞ! 心に響く魔法の言葉

週刊ゴルフダイジェスト2022年11月29日号より