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【日本女子オープン】アンダーパーはわずか2人! 勝みなみが難コースを制し史上3人目の連覇達成。ローアマは馬場咲希

<日本女子オープン/紫CCすみれC(千葉)/6839Y・パー72/9月29日〜10月2日>
PHOTO/Tadashi Anezaki

最終日、トップで最終組の申ジエと、その1組前で3打差の3位タイからスタートした勝みなみ。勝が前半だけで5つのバーディを奪い首位に追いつくと、17番でもバーディ。申ジエに1打差で競り勝ち、畑岡奈紗以来となる史上3人目の連覇を達成した。

18番をパーで締めくくり、トータル3アンダーでホールアウト。アテストに向かう勝みなみ。この後、申ジエが18番をバーディとするも1打届かず。「ロッカーにいたので、優勝の瞬間を逃しました」(勝)

3打差を追う勝みなみが前半だけで5つスコアを伸ばすと、最終組の申ジエも2つスコアを伸ばし、前半を終えて3アンダーで並んでいた2人。11番で申ジエが落とすと、13番で勝が約2メートルのパーパットをオーバーさせボギー。次の14番も勝はボギーとしリードを許すが、後続の申ジエもボギーとして再び同スコアに。

勝負を分けたのは、17番ホールだった。勝の2打目は残り160ヤード。これを7番アイアンでピン横2メートルにつけると、バーディパットを沈めて一歩リード。

「歓声が聞こえました」とティーイングエリアで気がついたという申ジエ。初めて勝を追う展開になった焦りからか、フェアウェイバンカーからの2打目は無情にもバンカーのアゴに当たり、ラフへ。このホールをボギーとしてしまう。これで勝との差が一気に2打に広がった。勝負に“たられば”はないが、勝のバーディに気がついていなければ、その後の展開は違ったものになっていたのかもしれない。意地を見せ18番でバーディを奪うも1打届かず。勝が逃げ切り、連覇を達成した。

ただ、18番で果敢に2オンを狙い、3打目でチップインイーグルを決めればプレーオフという可能性を残し、最後まで会場を沸かせてくれた申ジエ。敗れたものの“グッドルーザー”として、その強さを日本中に印象付けた。

未発表のスリクソンの新ドライバーを投入し連覇を達成した勝みなみ。「飛距離が5ヤードくらい伸びました。風のときでも球が力強い。ランも出てくれる」(勝)。住友生命Vitalityレディス 東海クラシックの尾関彩美悠、ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンの山下美夢有、そして日本女子オープンの勝みなみと、この新ドライバーが3連勝を挙げた

これだけグリーンが速く、ボールが止まらないと、嫌なアプローチが残る。だが、申ジエは、そんなピンチを幾度となく切り抜けた。「チャンスが来るまでじっと我慢することが大切。我慢を重ねて、その中でチャンスをしっかりつかんでいくのが大事」と語っていたが、まさにその発言通りに実行し戦い抜いた。「今週はやり切れたので後悔はないです」(申ジエ)

これぞメジャーという難セッティング

終わってみれば、4日間通してアンダーパーが2人という、稀にみるシビアな展開となった今年の日本女子オープン。女子ツアー最長の6839ヤードというセッティングだったが、「距離の長さが言われていますが、それも頭のなかに入ってこないぐらい、グリーンが難しかった」と、予選落ちしたある女子プロが語ったように、際立っていたのがグリーンの難しさ。グリーンが小さくて狭いうえに、硬く締まっていて、さらにアンジュレーションもきつい。そしてピン位置も傾斜際の難しいところに切ってあるので、なかなかグリーンにボールを止められない。2打目から頭を使って“寄せて”いかないと、バーディどころか、ボギーの目も出てくる。

3日目、テレサ・ルーが8番グリーンでウェッジを持つシーンが見られた。パターよりもウェッジのほうが“寄る”イメージがあったのだろう。まさにグリーンの難しさを象徴するシーンだった。最終日、そのテレサの組についていた石井忍プロにも話を聞いてみた。

「今回のセッティングはグリーンだけでなく、フェアウェイも硬かったので、ランアウト(転がってラフに入る)してしまうのをよく見ました。ラフも長いので、そうなるとなかなかあの小さなグリーンに止められない。敗れはしましたが、申ジエ選手はアイアンで意図的に高い球を打てるので、落下角をつけてグリーンで止められていました。そのあたりがスコアの差に表れたのだと思います」(石井)

難度No.2だった17番ホールのグリーンの傾斜を現した図。矢印が複雑に入り組んでいるのを見ても、いかにグリーンがうねっているかがよくわかる。星印が最終日のピン位置

馬場咲希は5オーバー11位タイでローアマ獲得

「日本女子オープンに出場できて、ローアマを取れたことは、とてもうれしいです。試合が始まる前は4日間戦うことが目標でしたが、予選を通ってからは、結果を気にせず楽しもうと思っていました。結果的にローアマが取れてうれしいです。ただ、1日でもアンダーで回りたいと思っていたので少し悔しい気持ちもあります。グリーン周りの長いラフに対応できなかった。長いラフで練習できるところがないので……。これを課題にして次につなげたい。(次戦の富士通レディースの)コースは回ったことがないけど、日本女子オープンのこれだけ難しいセッティングを回って、今回学んだことを次に生かせるようにしたい。自信はついたと思う」(馬場)

<日本女子オープン・最終成績>

優勝勝みなみ-3
2位申ジエ-2
3位T西村優菜0
3位T山下美夢有0
3位T吉田優利0
6位佐久間朱莉+2
7位Tペ・ソンウ+4
7位T堀琴音+4
7位Tテレサ・ルー+4
7位T小祝さくら+4

週刊ゴルフダイジェスト2022年10月18日号より

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