Myゴルフダイジェスト

過去最長6839Yの難セッティングを制するのは? 2022日本女子オープン優勝予想

まもなく開幕する日本女子オープン。過去最長6839ヤードで行われるシビアな戦いを制するのは果たして誰か。過去に優勝経験を持つ馬場ゆかりに、今年の最注目選手を挙げてもらった。

PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Hiroyuki Tanaka、Tadashi Anezaki、Shinji Osawa、Hiroaki Arihara

※ランキング、スタッツは9/21時点

舞台は2020年に男子の日本オープンを開催した紫CCすみれC。日本女子ツアー史上最長の6839ヤードで争われる

解説/馬場ゆかり

2002年プロテスト合格。11年日本女子オープン優勝を含むJLPGA3勝で04年から14年まで11年連続で賞金シード。現在はトーナメント解説やアマチュアゴルファーへのティーチングを行う

11年に日本女子オープンを制した馬場ゆかり。いまは千葉を拠点にレッスンを行い、会場の紫CCすみれCをよく知るプロに今年の優勝予想と注目選手を聞いた。

「まず会場である紫CCすみれCは池が絡んだり、嫌なところに木々やフェアウェイバンカーがあったりと、戦略性が高く、パー5でも気持ちよくティーショットできないコースです。また、ピンポジションによって攻め方が変わるホールが多いので、優勝するためには、まずコースマネジメントが重要になります。今季好調の山下美夢有選手、西村優菜選手、菅沼菜々選手からはマネジメントの上手さを感じますし、それを4日間続けられる精神力というか、忍耐強さがあるので優勝争いに絡んでくると思います。

また、グリーンはポテトチップスみたいに面積が小さく、傾斜がきついのでショット力の高さも要求されます。そのグリーンに上手く球を止めるにはボールの高さが必要で、この点は昨年のディフェンディングチャンピオンで連覇を狙う勝みなみ選手が一番でしょう。総ヤーデージが6800ヤードを超える長さを考えても、飛距離が出る勝選手の優位性は高いと思います。

そのほか、注目選手としては、特別枠で出場する全米女子アマチャンプ・馬場咲希選手は外せません。長身から繰り出される飛距離が魅力的で、アドバンテージは大きいですが、ナショナルオープンの難しいセッティングに彼女がどう対応できるかが鍵です。ラフは彼女がこれまで経験したことがないくらい深くなりますので、いくら飛んでもフェアウェイキープができなければなかなか厳しいかなとも。そういった面で、先の日本女子プロ選手権の川﨑春花選手のように“いきなり優勝”というのも難しいと思います。堅い予想ですが、実績のある選手がやはり有利な大会になるはずです」(馬場)

優勝の大本命は新世紀世代の2人

今季ツアー5勝の西郷真央と3勝の山下美夢有は21世紀が始まった2001年生まれ。この世代は21年に全米オープンを勝った笹生優花や、2020-21年シーズンのステップ・アップ・ツアー賞金女王リ・ハナらがいる。

山下美夢有
2001年8月2日生まれ
メルセデスランキング1位

昨年の賞金女王・稲見を抑えて平均ストローク1位。サントリーレディスから11週連続でトップ10入りしている。今季の優勝はいずれも4日間競技で大一番に強いメンタルも魅力
●平均ストローク/70.1072(1位)●トータルドライビング/66(12位)●パーオン率/74.1481%(2位)●リカバリー率/70.7736%(3位)●サンドセーブ率/38.3333%(81位)●パーオン時平均パット数/1.7698(8位)

西郷真央
2001年10月8日生まれ
メルセデスランキング2位

12試合の欠場があるにもかかわらず、メルセデス・ランクは2位。5月のブリヂストンレディス以降優勝はないが、海外メジャーのエビアン選手権で3位に入る爆発力は健在
●平均ストローク/70.3265(3位)●トータルドライビング/26(1位)●パーオン率/72.6757%(8位)●リカバリー率/73.4440%(1位)●サンドセーブ率/50.0000%(12位)●パーオン時平均パット数/1.8025(27位)

対するは優勝経験豊富な“90期生”

稲見萌寧
1999年7月29日生まれ
メルセデスランキング3位

シーズン序盤の不調を乗り越え、今季もこれまで2勝。昨年と比較するとパッティングの調子がイマイチだが改善されている
●平均ストローク/70.1697(2位)●トータルドライビング/54(5位)●パーオン率/75.5051%(1位)●リカバリー率/69.8454%(6位)●サンドセーブ率/36.8421%(69位)●パーオン時平均パット/1.7766(11位)

菅沼菜々
2000年2月10日生まれ
メルセデスランキング10位

持病の影響で出場試合数が少ないなか、安定したゴルフを見せる。パッティングの良さが光るのでパーオン率を上げるのが鍵
●平均ストローク/70.5990(7位)●トータルドライビング/61(9位)●パーオン率/68.5714%(32位)●リカバリー率/66.9192%(12位)●サンドセーブ率/49.1803%(18位)●パーオン時平均パット/1.7564(3位)

高橋彩華
1998年7月24日生まれ
メルセデスランキング11位

昨シーズンまでは勝ちきれない試合が続いたが、フジサンケイレディスで見事に優勝。ショットとパットの好調が優勝への必須条件
●平均ストローク/70.8127(9位)●トータルドライビング/76(23位)●パーオン率/71.5364%(11位)●リカバリー率/65.3012%(23位)●サンドセーブ率/41.7910%(43位)●パーオン時平均パット/1.7709(9位)

原英莉花
1999年2月15日生まれ
メルセデスランキング44位

クラブを日によって替えるなど迷走ともいえる時期もあったが、最近は安定したゴルフで優勝争いに顔を出すまで復活。2度目の日本女子OP制覇を狙う
●平均ストローク/71.8767(30位)●
トータルドライビング/71(19位)●パーオン率/70.8524%(13位)●リカバリー率/56.6580%(85位)●サンドセーブ率/31.4286%(86位)●パーオン時平均パット/1.8185(57位)

ルーキーからベテランまで各世代の注目選手!

畑岡以来、6年ぶりの快挙なるか!?
実力者ぞろいのアマチュアにも注目

馬場咲希
2005年4月25日生まれ
代々木高校2年

日本人では服部道子以来37年ぶりに全米女子アマを制した馬場。憧れの人というネリー・コルダのようなドライバーの飛距離が魅力で、「和製ネリー・コルダ」というニックネームも
●2022年ナショナルチーム ●2022年世界女子アマ個人4位T ●2022年全米女子アマ優勝 ●2022年日本女子アマ9位T ●2022年ブリヂストンレディス28位T(ベストアマ) ●2022年全米女子オープン49位T

週刊ゴルフダイジェスト2022年10月11日号より

こちらもチェック!