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【ダンロップ女子オープン】「パットのラインがくっきり見えた」初日「60」の山下美夢有が完全優勝で今季3勝目

<ミヤギテレビ杯 ダンロップ女子オープン/利府GC(宮城)/6491Y・パー72/9月23日〜25日>
PHOTO/Hiroyuki Okazawa

第1ラウンドでツアー新記録となる「60」をマークし、ロケットスタートに成功した山下。持ち前の安定したプレーでライバルたちを寄せ付けず、「60」「67」「71」で竹田麗央と三ヶ島かなに5打差をつけての勝利。18ホール最少ストローク、トーナメントレコード、自己ベストを更新した圧巻のプレーに3日連続「100点満点」と大満足だった山下は、年間獲得賞金も2位の稲見萌寧に4000万円以上の差をつけ、賞金女王争いでも頭ひとつ飛び出た。

山下のパットは寄るから入る。入るから寄せられる

今季だけで2桁アンダー10回、単日5アンダー以下が13回と、並はずれた爆発力を持つ山下は、平均飛距離240ヤード弱(57位)と決して飛ばす選手ではない。しかし、飛距離のハンディを補って余りあるパッティングを武器に、年間トップ10回数、平均ストロークともに1位を堅持している。

ジュニア時代から強気を身上とする山下のパッティングは、「パットは入るか入らないかだけ」というシンプルなもの。1ラウンドあたり平均バーディ数3.8個、パーセーブ率90.46%(ともに1位)というところに、山下のファーストパットの“強さ”が見て取れる。

しかし入れるだけではない。強みはロングパットの距離感にもある。最終日の12番で唯一3パットのボギーを叩いたが、全体で見れば同大会でのパーオン数46/54(3位)でパット数は27.33(2位)というツアー随一の安定度が、さらなる強気のバーディパットを引き出したのだろう。

まさにそれが発揮されたと言えるのが初日だった。前半11パット・後半11パットの計22パットでバーディを量産し、「60」のビッグスコアをマーク。これまで稲見萌寧とキム・ヒョージュが持っていたパー72における18ホール最少ストローク記録61を1打更新した。「特に後半はラインがくっきりと見え、打てば入る感じだった」という山下は、12・13・14番でいずれも5メートル以上のバーディパットを決め、最終18番も6メートルのスライスラインをど真ん中からねじ込んだ。

8打差で迎えた最終日も攻めのゴルフを意識した山下。12番は5メートルのバーディチャンスからまさかの3パットでボギーを叩いたが、その後持ち直し、上り4ホールをきっちり2パットパーとし、完全試合を成し遂げた。

「60」を叩き出した初日のパーオン率は16 /18で、グリーンを外した7番と15番はどちらもパーセーブ。1パット14回、12バーディという驚異的なスコアを叩き出した

左(黒のウェア)は山下、右(ピンクのウェア)は2位タイの竹田麗央。平均飛距離250ヤード近い竹田に対し、山下は2~30ヤード置いていかれる場面も多く見られ、パーオン数も竹田の49個に対し山下は46個と劣ったが、パターで圧倒した

2日目8アンダーで40人抜きを果たし、一気に2位にジャンプアップした三ヶ島だったが、力及ばず。腰痛に悩まされながら「相性が良くない」という利府で60台を出したのは今回が初めてだという

2日目に「72」と失速した吉田優利だったが、最終日5アンダーと持ち直し、4位タイに入った。吉田はこれで直近7試合中6試合ベスト10以内に入る好調ぶりで、翌週に控える日本女子オープンに期待したい

<ダンロップ女子オープン・最終成績>

優勝山下美夢有-18
2位T竹田麗央-13
2位T三ヶ島かな-13
4位T吉田優利-10
4位T上野菜々子-10
6位T岩井千怜-8
6位T川岸史果-8

週刊ゴルフダイジェスト2022年10月11日号より

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