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【インタビュー】「ツアーで大事なのは体!」女子プロ次世代の星 #1 山下美夢有

PHOTO/Tsukasa Kobayashi、Tadashi Anezaki、Shinji Osawa、Hiroyuki Okazawa、Hiroshi Yatabe

近年の女子ツアーは若手の台頭が目立つが黄金世代だけでなくその下の世代からも有力な選手が続々と現れている。そこで今回はツアー前半戦で活躍を見せた3人の女子プロを直撃。1人目は、4月のKKT杯バンテリンレディスで優勝した山下美夢有選手。

山下美夢有
2001年8月2日生まれ、大阪府寝屋川市出身。150cm・55kg・A型。大阪桐蔭高校卒。2019年プロテスト合格(92期生)。21年KKT杯バンテリンレディス優勝。ゴルフ歴: 5歳~

今季の目標はメジャー優勝
そして米ツアーに挑戦したい

GD 2019年のプロテストに1発合格。プロテスト経由初の女子高生プロとなりましたが、当時の周りの反響はどうでしたか?

山下 合格後、学校の校内報に掲載されたんです。それでみんなが「え~~マジ!?」みたいになりました。仲のいい友達は私がゴルフをしているのを知っていましたが、他のクラスの子たちはみんな知らなかったので、「おめでとう」「やったね」ってたくさん声をかけてもらいました。

19年のプロテスト合格後の写真(左から西村優菜、吉田優利、安田佑香、山下美夢有、澁澤莉絵留)。「まだ1年目なので知り合いも少なく、たくさんの選手と仲良くなりたいです」

GD 2020年、QTランク13位の資格でいよいよツアーに本格参戦というとき、新型コロナウイルスが世界規模で拡大し、試合が中止や延期になりました。女子ツアーが始まったのは6月末のアース・モンダミンカップからでしたが、ルーキーイヤーを振り返ると、どうでしたか?

山下 最初は緊張もあって3試合連続で予選落ちでした。なかなか自分のプレーができなかったです。そこからトーナメントの雰囲気とか、コースの攻め方とか、ツアーの流れが、少しずつわかるようになってきました。

GD 20年のオフは、どんなふうに過ごしましたか?

山下 体が小さいこともありますが、線も細いですから他の選手に比べて飛ばないんです。これではツアーで戦えないなと思っていたので、まずは飛距離アップ、それが最初のテーマでした。

GD 飛距離アップのために、どんなことをしましたか?

山下 体を大きくすることを考えました。そのために、ごはんはめっちゃ食べました。無理してでも食べる感じです。もともとお肉とお寿司が大好きなんですけど、それ以外にも野菜や魚など、できるだけバランスよく、とにかく食べまくりました。体重が51キロから55キロになり、4~5キロ増量しましたね。

GD 体重アップのほかに、どんなトレーニングをしましたか?

山下 コロナ禍なのでジムにも行けませんから、自宅でできるトレーニングを続けていました。ポリタンクに水を入れ、重さを調整しながらの筋トレです。綱引きの綱を振り上げるトレーニングもやりましたし、ダッシュ(走る)は毎日の基本です。そのおかげで飛距離は15Yくらい伸びました。ドライバーの平均飛距離は240Yくらいです。

食事とトレーニングで5キロ増量

「体重アップのときは、吐きそうになるくらいまで食べていました。その体重をキープしつつ、水の入ったポリタンク(20ℓ)や綱で筋トレ。そのおかげで平均飛距離は15Yくらい伸びました」

GD 今季ツアーですでに初優勝を達成していますが、これからのゴルフの目標はありますか?

山下 2勝目、3勝目という複数優勝ももちろん目標ですが、メジャーで勝ちたいです。やはりメジャー優勝は大きな目標のひとつ。国内ツアーで実績を重ねながら、米ツアーにも挑戦していきたいです。

19歳山下の素顔は
イケメン&アイドル好き

GD まだ19歳ですからゴルフ以外にもさまざまな興味があると思います。好きな芸能人やアーティストはいますか?

山下 好きな芸能人ですか、めっちゃいます。俳優なら志尊淳、野村周平、かなりのイケメンです。アスリートなら那須川天心(総合格闘家)です。顔はイケメンというわけでもないんですが、とにかく強いのがカッコいいんです。アーティストなら韓国のビッグバンやBTSですね。もうカッコよすぎです。

GD 4月のバンテリンレディス(熊本空港CC)では、4位からの逆転でツアー初優勝を飾りました。5打差をつける圧勝でしたが、そのときの勝因は?

山下 もともと優勝できるとは思っていなかったんですけど、集中してプレーできたのがよかったです。いま考えると勝てた要因は“安定感”だったのかなと思います。ボギーを打たないゴルフ、アプローチできっちり寄せるゴルフができました。チップインもありましたが、ショット全体の精度がとても安定していました。

GD 飛距離アップよりもアプローチがよかったのですか?

山下 実は今年のオフ、縁があって中嶋常幸プロのミニ合宿に参加させてもらったんです。1週間見てもらい、いろいろアドバイスをいただきました。ショットの打ち方がどうとか、技術的なことではなく、アプローチの大切さ、コースマネジメント、最終日の攻め方、基本的な練習方法など、ツアーに対する気持ちの持ち方というか、メンタルの部分で大きなヒントをいただきました。それがプラスに働いたのだと思います。

GD 20年の夏にトラックマン(弾道測定器)を購入したことで話題になりましたが、そのきっかけは?

山下 もっとレベルアップしたかったからです。感覚的な部分だけでは上手くなれません。感覚とデータをすり合わせることで足りない部分が見えてくる、そう思ったんです。でも最初はわからないことばかりでした。データ項目がたくさんありすぎて、わからないときはすぐにトラックマンの人に電話して説明してもらっていました。トラックマンを使い始めたときは、何十回も担当の人に電話していましたね。

GD 重視している弾道データはなんですか?

山下 基本はキャリーです。番手ごとのキャリーを正確に知ること。3Y刻みで打ち分けられるのが理想ですが、今はまだ5Y刻みくらいです。あとはスピン量と入射角も重視しています。

レベルアップのためトラックマンを購入

20年の夏に購入したトラックマン(弾道測定器)。「300万円は人生最高額の買い物です。最近は番手ごとのキャリーだけでなく、スピン量と入射角にも注目し、ショットの精度アップにつなげています」

ツアーを転戦して
コンディショニングの大切さを痛感

GD 今季は2020-21年の連結シーズンで、すでに30試合以上を消化しています。ツアー転戦のなかで見えてきた課題は?

山下 ショットの精度、飛距離アップ、アプローチ、パッティングなど、取り組むべき課題はたくさんあります。ですが、ツアーを転戦中の今は、体のコンディションをいかに高い状態でキープできるか、だと思っています。なぜかというと、コンディション次第でショットが大きく変わってしまうからです。体が重かったり、疲れが残っていると距離感がまったく合わなくなりますし、ボールも右や左にバラけます。ここぞというときにショットがブレてしまえば、勝てる試合も勝てませんし、チャンスを逃してしまいます。体を休めることも睡眠をとることも大事ですし、食べることももちろん大切。コンディションを整えることでパフォーマンスが維持できるのだと実感しています。

GD 毎週ツアーを戦うなかで、心の癒しはありますか?

山下 私も父も犬が大好きで2匹飼っていたのですが、もう1匹飼おうということでペットショップに行ったんです。そのとき出会ってしまったんです。見た瞬間、絶対に飼う!ってなりました。まだ1歳になっていない女の子で「ペコ」という名前なのですが、めちゃめちゃ可愛くて、癒されまくりです。最近、実家に帰れないので会えなくて寂しいです。

【山下美夢有に1問1答】

ニックネーム……やまみゆ
好きな食べ物……お肉、お寿司
嫌いな食べ物……グリーンピース
苦手なもの……おばけ、雷
好きな芸能人……志尊淳、野村周平、那須川天心、ビックバン、BTS
好きな動画……那須川天心のYouTube
好きなコンビニ商品……バームクーヘン
好きなファッション……派手な色だけどシンプルなデザイン
休日の過ごし方……友達とアウトドア
癒されるもの……最近飼い始めた犬のペコ

週刊ゴルフダイジェスト2021年8月10日号より