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【フジサンケイクラシック】ルーキー大西魁斗がプレーオフを制し初優勝! パットが劇的に向上した内藤コーチのアドバイスとは?

<フジサンケイクラシック/富士桜CC(山梨)/7541Y・パー71/9月1日〜4日>
PHOTO/Tadashi Anezaki

初優勝を目指すツアールーキーの大西魁斗と、19年のチャンピオン・朴相賢(パク・サンヒョン)がともに11アンダーで並び、プレーオフへ。プレーオフ1ホール目でバーディをとった大西が、見事初優勝を果たす。ウィニングパットを決めた瞬間、大西は雄叫びをあげた。

最終組の一つ前の組でこつこつとスコアを伸ばしていた大西。難しい8番と10番でスコアを落としていたが、その後14、15、16番と連続バーディ。最終的にこの日スコアを3つ伸ばして、朴とのプレーオフにこぎつけた。4日間を通して、このモンスターコース・富士桜CCでアンダーパーを出し続けたその強さの秘密はどこにあるのか? 昨年、Abemaツアーに出ていた大西と話す機会があったが、彼は「自分は平均ストロークがいいほうなので、3日間競技よりは4日間戦ったほうが合う」と言っていたのを思い出す。つまり、平均スコアがいいので、競技の回数があればあるほど成績を出せるということだ。スタッツを見れば、総合力の指標となるメルセデスランキングもフジサンケイ終了時点で2位。3年前に大西が日本に来てからコーチとして教える内藤雄士に、彼の今年の急成長の背景を聞いた。

「富士桜のようなコースはアメリカのコースと総距離やレイアウトが近くて、魁斗と相性も良く、本人も好きだと言っていました。やっぱり難しいコースほど魁斗のように総合力が高くて、平均ストロークがいい選手が上位に来ますよね。傾斜で打つアイアンなどのショット力もそうですし、飛距離も、ある程度ある選手じゃないと厳しいはず。実は開幕戦の東建のときに、彼は平均パット数がビリだったんですよ。それが今や1位になりましたからね。コンピューターで測ったときに、ややアッパーブローが強かったので、それをレベルブローからややダウンブローに変えたんです。スタンスを狭くして、目の位置をボールの真上にして、そこを直してからパットがよくなりました。ショートパットを外さなくなった。だからロングパットも自信を持って打てているんです」

最後の優勝パットのスライスラインも見事真ん中から入れ切った大西。これで賞金ランキングも3位となり、目標である海外挑戦にまた一歩近づいた。

プレーオフ1ホール目で優勝を決めた

18番のプレーオフ1ホール目、大西はスライスラインを読み切って見事バーディ。「最終日はずっとフックラインを外してきましたが、最後スライスラインでよかったです」と大西

優勝後にコーチの内藤雄士と抱擁。「スウィングは内藤さんにすべて任せてますので」と大西は内藤コーチに全幅の信頼を寄せている。「魁斗は僕がいてもいなくてもきちんと同じドリルをこなせる。踏みとどまれるメンタリティもあるし、いつも『根性あるね』って言っているんです」(内藤コーチ)

富士桜がマイナーチェンジ
コース改造の意図は?

今年のフジサンケイ、コースにいくつかのマイナーチェンジがあったことに気づいた方はいただろうか。11番はグリーン周りを改造。初日の難易度1位ホールとなった。そして3番はパー5からパー4に、5番はパー4からパー5になった。ゼネラルプロデューサーの戸張捷氏にその改造の意図を聞くと、「11番はそもそも2打目の距離感が難しいホール。今回右の手前の木を切って、その木を切った先に、バンカーを2つ作りました。バンカーが2つあることによって、ピンまでの距離感がさらに難しくなるんです」

<フジサンケイクラシック・最終成績>

優勝大西魁斗
(プレーオフ)
-11
2位パク・サンヒョン-11
3位岩田寛-10
4位堀川未来夢-9
5位T石川遼-8
5位T岩﨑亜久竜-8
5位T木下稜介-8

週刊ゴルフダイジェスト2022年9月20日号より