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【楽天スーパーレディース】「“あの頃”のスウィングに戻しました」勝みなみ、史上初の“4日間ノーボギー”優勝!

<楽天スーパーレディース/東急グランドオークGC(兵庫)/6616Y・パー72/7月28日〜31日>
PHOTO/Hiroyuki Okazawa

最終日、スタート時点で9打差。まさに一人旅。最終日は1アンダーと前日までのような爆発力はなかったが、この日もボギーなし。4日間競技で史上初、ノーボギーで今季初優勝を飾った。「最終日はボギーを打っちゃいけないと自分にプレッシャーをかけてしまった。でも、優勝できてよかったです!」

17番のパーパットを決め思わずこの笑顔。「これは入らないと思いました。ビックリしちゃって(笑)」

「ショットが安定してきたので、今は自信を持ってゴルフができています」

22アンダー、2位と5打差、圧倒的な強さで勝った要因をこのように話した勝。そして、そこにはスウィングが大きく影響している。「フェース面は目標を向けていますが、極端に左を向いて構えています。その状態からインサイドアウト軌道でスウィングをする。感覚としては“右プッシュ”を打つような感じ」(勝)

勝はもともとこのように打っていたが、高校1年生の頃、「そのほうがカッコイイ」から、スタンスをスクエアに直した。

「スクエアでしばらく打っていましたが、トレーニングで体が強くなって、回転スピードが増しました。すると、体ばかり先行して、クラブがどんどん遅れて下りてきて右へのミスが増えてしまったんです。右を嫌がると左のミスも出るし……。どうにかならないかと日々考えていましたが、スウィングを大きくいじるのは嫌だったので、スタンスを昔に戻すことにしたんです。それがすごくハマりましたね」

右プッシュを打つような感覚

スタンスは左を向けるがフェースはあくまで目標に向ける。その状態からインサイドアウトに振り抜き、スタンスに対しては、出球がかなり右に飛んでいく

【2014年、アマチュア優勝時のスウィング】

アマチュア優勝を果たした2014年のスウィング。当時はかなり左を向いて右に打ち出していた。この頃のスウィングに戻して調子を取り戻した

勝のプレーを間近で見ていた青木翔コーチに、この考え方について聞いてみた。

「勝選手のような『左を向いて右プッシュ』は、左のミスを消せるというメリットがあります。スクエアに立つとどうしても体の詰まりを感じて、手首を返す動きが強くなるので、フックの度合いもきつくなってしまう。本人もそこに気持ち悪さを感じていたのでしょう。ただ、どのような振り方をするにせよ、大事なのは本人が気持ちよく振れること。何が正解ということではなく、勝選手にとっては、この打ち方がもっとも気持ちいい。結果が何よりの証拠です」(青木)

アマチュア優勝を飾ったときのスウィングに戻した勝みなみは、驚異的なスコアで今大会を制した。今週行われる全英女子オープンでも、この勢いのまま戦ってきてほしい。

指導する野澤真央を見に来ていた青木コーチ。「もともと染みついている軌道を変えるのは大変なこと。勝選手はそれを感覚的にわかっていて、スタンスを変えるという選択をした。自分自身を理解していて素晴らしいですね」(青木)

<楽天スーパーレディース・最終成績>

優勝勝みなみ-22
2位稲見萌寧-17
3位T全美貞-15
3位T黄アルム-15
3位T小祝さくら-15
6位吉田優利-14
7位T野沢真央-13
7位T青木瀬令奈-13
7位Tペ・ソンウ-13

週刊ゴルフダイジェスト2022年8月16日号より