【イ・ボミのスマイル日和】Vol.20「間違えても大丈夫!」と思えたから成長できた
イ・ボミのSmile日和
2年連続賞金女王など輝かしい実績を残し、2023年に惜しまれつつも日本ツアーを引退したイ・ボミ。これまであまり語られてこなかった生い立ちや現役時代の秘話など、あらいざらい語り尽くす!
TEXT/Kim Myung Wook PHOTO/Takanori Miki

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- 2年連続賞金女王など輝かしい実績を残し、2023年に惜しまれつつも日本ツアーを引退したイ・ボミ。これまであまり語られてこなかった生い立ちや現役時代の秘話など、あらいざらい語り尽くす! TEXT/Kim Myung Wook PHOTO/Takanori Miki >>前回のお話はこちら ファンの方にとっては”一瞬”が最高の思い出になる……
「もっと、自分の考えを 日本語で伝えられるようになりたい」
最近、ご一緒した方から「ボミさん、日本語が本当に上手ですね」と言っていただくことがあります。そのたびにうれしい気持ちになるのですが、心の中では「いやいや、まだまだですよ」と思っているんです。
みなさんは私が日本ツアーで長くプレーしていたから、日本語も自然に身に付いたと思っているかもしれません。でも実際はそんなに格好いい話ではありません。
今でも一日中日本語で仕事をした日は、家に帰る頃には「もう無理……」と思うくらい疲れてしまいますし、自分の考えをうまく伝えられなかった日は、「もっと違う言い方があったかな」と反省することもあります。
私にとって日本語は、「上手になった」というよりも、「間違えてもいいや」と思えるようになったことのほうが大きい気がしています。
日本ツアーに挑戦しようと決めた頃から、日本語の勉強は韓国で始めていました。
それなりに準備はしていたつもりでしたが、実際に日本へ来てみると、教科書で学んだ日本語と普段使われている日本語はまるで別物でした。
頭の中ではわかっているのに、いざ話そうとすると言葉が出てこない。間違えたら恥ずかしいし、変な日本語だと思われたらどうしよう。そんなことばかり考えていました。
今思うと、日本語ができなかったというより、間違えるのが怖かったんだと思います。そんな私を変えてくれたのが、延田グループ前会長(故人)でした。
会長はいつも、「間違えてもいいから話しなさい」と言ってくれました。最初は本当に半信半疑でした。こんな日本語で大丈夫なのかなと思いながら話してみると、意外なことにみんながちゃんと理解してくれるんです。その時に初めて、「あ、完璧じゃなくても伝わるんだ」と気づきました。
試合後のインタビューも日本語を覚える大切な時間でした。よく聞かれるコメントを韓国語で書き、それを日本語に直して覚える。そんなことを繰り返しながら、少しずつ表現を増やしていったんです。
ただ、試合後の取材は想像以上に大変でした。どのホールで何が良かったのか、どんなミスをしたのかを整理しながら、まず韓国語で考え、それを日本語に変換して話さなければなりませんでした。
だから取材エリアへ向かう前には、よく「ちょっとお手洗いに行ってきます」と言って、一度気持ちを落ち着かせていました。手を洗いながら頭の中を整理してから記者のみなさんの前に立つ。笑顔でしたがいつも心臓はドキドキしていたんですよ(笑)。
それでもありがたかったのは、日本の記者のみなさんが温かく受け止めてくれていたこと。私の言葉をくみ取って記事にしてくれたので、私も「何かひとつでも喜んでもらいたい」という気持ちで、小さなエピソードをできるだけ伝えようとしていました。
もちろん、今でも日本語は難しいです。引退してからは自分の考えや経験を言葉で伝える機会が増えました。ジュニアレッスンでもイベントでも、できるだけ自分の気持ちをきちんと届けたいと思っています。でもその分、どの言葉を使えば一番伝わるのかを考え続けるので、仕事が終わる頃にはどっと疲れています。
時々、「試合に出ていた頃のほうが楽だったかもしれない」と思うこともあります(笑)。それでも、日本語を学んだからこそ、ファンのみなさんや日本で出会った方々と深くつながることができたと思っています。
だから今、新しいことに挑戦しようとしている人がいるなら、私は「間違えても大丈夫ですよ」と伝えたいです。最初から完璧にできる人なんていません。間違えながら覚えて、失敗しながら前に進む。
その繰り返しの中でしか見えない景色があると思うんです。 振り返ると、日本語のおかげでたくさんの人に出会うことができた。そう考えると、日本語を勉強した時間そのものが、私を成長させてくれたのかもしれませんね。

「韓国にも素敵な コースがいっぱい!」
「最近は韓国のゴルフ場で プレーすることが多いです。 日本よりも値段が少し割高なのですが、 それでも行く価値のあるコースが たくさんありますよ」
月刊ゴルフダイジェスト2026年8月号より


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