【イ・ボミのスマイル日和】Vol.19『強い』よりも『応援したい!』と思われる選手が増えてほしい
イ・ボミのSmile日和
2年連続賞金女王など輝かしい実績を残し、2023年に惜しまれつつも日本ツアーを引退したイ・ボミ。これまであまり語られてこなかった生い立ちや現役時代の秘話など、あらいざらい語り尽くす!
TEXT/Kim Myung Wook PHOTO/Takanori Miki

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- 2年連続賞金女王など輝かしい実績を残し、2023年に惜しまれつつも日本ツアーを引退したイ・ボミ。これまであまり語られてこなかった生い立ちや現役時代の秘話など、あらいざらい語り尽くす! TEXT/Kim Myung Wook PHOTO/Takanori Miki イ・ボミ 1988年生まれ。15、16年賞金女王。日本ツアー21勝のレジェンド >>前回……
ファンの方にとっては
”一瞬”が最高の思い出になるんです
日本と韓国の女子ツアーをテレビで見ていると、プレーレベルが本当に高くて、すごいなと思う場面ばかりですし、選手一人一人が人間としてもすごく魅力的なんですよね。
一方で、ファンが「この選手を応援したい!」と自然に思える瞬間って、どこから生まれるんだろうと、ふと考えることがあるんです。
現役のときは目の前のプレーに必死で、あまり深く考えたことはなかったのですが、少し離れた立場になった今だからこそ見えてくるものもあると感じています。
そんな中で改めて思うのは、スポーツの世界には”スター”と呼ばれる存在が必要なんだなということ。
どんなスポーツでも、やっぱり”見たくなる存在””応援したくなる存在”がいることで、その競技の魅力は大きく変わると思うんですよね。
そう考えたとき、「強いこと」と「応援されること」は別のものになります。
スコアが良いだけでは「強い選手」にはなれても、「応援したい選手」にはなれないことがある。
じゃあ何が必要なのかと言われると……すごく難しい。
見た目の華やかさかもしれないし、プレースタイルかもしれません。でもそれ以上に大きいのは、『人となり』なんじゃないかなと私は感じています。
たとえばインタビュー。試合後のコメントやテレビでの受け答え、そういうところでその選手の”人間らしさ”が見えると、ファンは一気に近く感じるんですよね。
逆に、すごくしっかりしていてプロフェッショナルでも、それだけだと「かっこいい」で終わってしまうこともある。
そこから「応援したい」という気持ちまでは、なかなかつながらないこともあります。
私自身、現役のときはそこをすごく意識していたわけではありません。
でも、結果的に「笑ってもいいんだ」とか「ゴルフ場で手を振ってもいいんだ」とか、そういう雰囲気を少し変えられた部分はあったのかなと思っています。
最初はびっくりされることも多かったですが、それでもファンの方が喜んでくれるなら、と思って続けていました。
ただ、これも簡単な話ではないんです。調子が悪いときに笑うのは難しいですし、インタビューで前向きなことを話すのも正直つらい。
私も「なんでこの状態で話さないといけないんだろう」と何度も思いました。でも、それも含めて”見られる仕事”なんだと、後に思うようになりました。
それともう一つ感じるのは、ファンとの距離感です。コロナ禍の前は試合会場で写真を撮ったりサインをしたり、そういう時間が今よりも多かったように思います。
もちろん今は時代も変わって、いろいろな事情があるのはわかります。でも、ファンの方にとっては、その一瞬がすごく大切な思い出になることも多いんですよね。
遠くから時間とお金をかけて会場に来てくださる方もたくさんいます。その人たちが「来てよかった」と思える時間をどれだけ作れるか。
それも、ツアー全体の魅力につながっていくものだと思います。とはいえ、全員がスターになれるわけではありませんし、無理に作ろうとしても難しい部分もあります。性格も違えば、表現の仕方も違う。
それぞれのやり方があっていいと思います。ただ、その中で自然と「この選手を見たい」と思われる存在が出てくることは、やっぱりツアーにとって大きな力になるはずです。
今のツアーには魅力的な選手がたくさんいます。でも、だからといってその間に何もしないのではなくて、選手もツアーも、少しずつできることを積み重ねていくことが大事なんじゃないかなと思います。
強ければ「すごい選手」にはなれる。でも、「応援したい選手」になるためには、もう少し違う何かが必要です。
その何かを、これからの女子ツアーの中でどう育てていくのか。私自身も、少し離れた場所からではありますが、考え続けていきたいし、力になりたいと思っています。

「日本でのプレーを楽しみました」
「久しぶりに“日本のホーム”マスターズGCでプレーしました。いつ行ってもメンテナンスが素晴らしくテンションが上がりました!」
月刊ゴルフダイジェスト2026年7月号より


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