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レキシー・トンプソンまたも勝ちきれず2位。3年ぶりのV逃す

米女子ツアー今季メジャー第3戦「KPMG全米女子プロ選手権」は、韓国の27歳チョン・インジが逃げ切って優勝を飾った。だが勝者以上に注目を集めた敗者がいる。レキシー・トンプソンだ。

初日から快調にリードを守ってきたインジだったが、最終日は序盤から不安定なゴルフで後退。4番を終えた時点でレキシーがスタート時の3打差を逆転し、首位に立った。

16歳でデビューした頃は飛距離ばかりが取り沙汰され、ショートゲームの評価が低かったレキシーだが、27歳になった今季はパッティングのスタッツも上がり、長打だけが武器ではない選手に成長。今度こそ14年のクラフトナビスコ選手権(現シェブロン選手権)以来8年ぶりのメジャー制覇かと思われた。

ところが、バックナインに入ると突然の乱調。14番で60センチのパーパットを外すなど、上がり7ホールで4つのボギーを叩き、インジに再逆転を許してしまう。そしてまたしても優勝に1打足りず、戴冠を逃したのだ。

昨年、笹生優花と畑岡奈紗がプレーオフを戦い、笹生が勝った全米女子オープンでも、レキシーは最終日に5ストロークのリードを失い日本勢に逆転を許すと、「とても辛い」と涙で頰を濡らしたもの。

最後に彼女が勝ったのは19年のショップライトLPGAクラシック。以降およそ3年間で2位が9回と、実力は誰もが認めるところだが、なぜか勝ち切ることができずにいるのだ。

一方、今回優勝した同じ歳のインジはツアー4勝目だが、メジャーは全米女子オープン、エビアン選手権に続き3勝目。日本でもビッグタイトルを獲得している。

「リードされても絶対にチャンスはあると信じて諦めなかった」インジに対し、レキシーはトップに立った途端、人が変わったようにミスを連発。これまでの負の記憶がブレーキをかけてしまったのだろうか?

V逸のレキシーはスロープレーで2000ドルの罰金を科され、傷口に塩……。(写真は2022年シェブロン選手権。PHOTO/Blue Sky Photos)

週刊ゴルフダイジェスト2022年7月19日号より