【ゴルフ初物語】Vol.90 雨にも笑顔! 「資生堂レディス」第1回大会は渋野日向子が攻めのゴルフで逆転V
2019年に始まった資生堂レディス。20年はコロナで中止、昨年は悪天候で初日から2日連続で中止となり36ホールの短縮競技に。今年は一転、猛暑の中での戦いが予想されるが、果たしてどんな展開になるのだろうか。渋野日向子が逆転優勝を果たした第1回大会を振り返ってみよう。
攻めの姿勢を貫き4打差をひっくり返す
2019年7月に開催された第1回資生堂レディス。3日目に「66」を出して首位と2打差の2位で最終日を迎えたのは、2カ月前にサロンパスカップでプロ初優勝を挙げたばかりの渋野日向子。最終日は12番まで3つのボギーを叩き、首位とは4打差まで広がってしまう。だが、直後の13番パー5。残り227ヤードから5番ウッドで果敢にツーオンを狙い、惜しくもピン奥に外したもののバーディ。彼女の代名詞となる“バウンスバック”を果たす。しかしトップのイ・ミニョンもバーディで4打差は変わらない。そして迎えた15番ホール。渋野はパーオンに成功。カップまで15メートルのファーストパットが残っていた。
「歩測で20歩もあったので入るとは思っていませんでした。でも、この日はロングパットでショートしていたので、絶対にオーバーさせようと打ちました」と、上りのスネークラインを強めに打ってバーディを奪うと、両手を上げてガッツポーズ。この勢いにのまれたか、トップを独走していたイ・ミニョンが、まさかの3パットでダブルボギー。一気に1打差になった。そして17番でもバーディを奪いトップに並ぶと、勝負の行方はプレーオフに。
プレーオフの移動中にも笑顔を見せながらギャラリーに手を振る渋野。1打目でフェアウェイをキープしたイ・ミニョンに対して、渋野は右のラフ。2打目もグリーン奥に外すが、3打目はあわやチップインバーディのアプローチでギャラリーを沸かせる。そして、きっちりとパーを奪い、ダブルボギーとしたイ・ミニョンを振り切りツアー2勝目。表彰式ではとびきりのスマイルを披露した。
このわずか1カ月後に全英女子オープン優勝という歴史的快挙を達成するとは、このとき誰が想像し得ただろうか?
「強く、美しく、輝くとき。」を大会コンセプトに2019年に新設された「資生堂 アネッサ レディスオープン」。第1回大会は、4日間を通じて雨が降りしきるなか、合計2万4076人ものギャラリーが戸塚CCに足を運んだ
週刊ゴルフダイジェスト2022年7月12日号より
こちらもチェック!
- 今季から米国を主戦場とする渋野日向子や、ツアー2勝目を挙げ好調の池村寛世が得意としている「直ドラ」。ティーアップせずに地面から直接ドライバーで打つのは我々一般ゴルファーにはレベルの高いテクニックに思えるが、「アマチュアにも直ドラは大きな武器になる」と小林大介プロは言う。その真意を深堀りしてみよう。 PHOTO/Yasuo Masuda、Shinji Osawa、Takahiro Masud……
- ゴルフスウィングで重要な「ブレーキ」を身につけるためにはどうすればいいのか。斎藤大介トレーナーが、渋野日向子も実践しているというオススメの「チューブトレーニング」を教えてくれた。 TEXT/Tomohide Yasui PHOTO/Tsukasa Kobayashi、Shinji Osawa、Blue Sky Photos MODEL/Mai Inaji(GOLULU) ……
- 米女子メジャー初戦「シェブロン選手権」で4位に入ると、ハワイで行われた「ロッテ選手権」で2位に入るなど、調子を上げてきた渋野日向子。進化したニュースウィングをプロコーチの吉田直樹が解説! PHOTO/Blue Sky Photos、Tadashi Anezaki、Takahiro Masuda シェブロン選手権4位タイ、ロッテ選手権2位と渋野日向子のエ……
- 飛距離アップのためには、トップでしっかりと体を回すことが必要。しかし、デスクワークで体が固まっていたり、年齢とともに柔軟性が落ちてくると、どうしてもトップが浅くなってしまう。無理に深いトップを取ろうとすると、腕だけで上げてしまい、手打ちの原因に。そこで今回は、肩まわりの柔軟性を高め、回りやすい体を手に入れるストレッチを、週刊ゴルフダイジェストの連載「らくトレ・ゆるスト」から厳選してご紹介! ……