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【スウィング研究】桂川有人「コンパクトトップから左に振り抜く」安定感抜群のフェードヒッター

今季「ISPS HANDA 欧州・日本、とりあえず今年は日本」で初優勝を挙げ、賞金ランクも2位と波に乗る若手の急先鋒、桂川有人。安定感抜群のショットの秘密をプロコーチの内藤雄士が解説。

PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、Takanori Miki

桂川有人(23)
1998年10月9日生まれ。愛知県出身。中学卒業後にフィリピンへゴルフ留学、帰国後日大に入学してゴルフ部で活躍。2020年プロ転向。2022年ISPS HANDAで初優勝
●平均飛距離:293.08Y(19位) ●FWキープ率:62.9479%(9位)

体と腕が完全同調

日大在学時の桂川を指導したことがある内藤雄士コーチ。

「ボソボソとしゃべる印象で、女子部員からも『可愛い』と言われるくらい、優しくて少し天然が入ったような性格の持ち主(笑)。でも実際にボールを打ってみると、すごかった。初めて会ったときバチーンと迫力がすごく驚きました。そんな僕の驚いた表情が分かったのでしょう。ゴルフ部の小野コーチが『この選手が桂川有人です』って教えてくれました。僕らの時代はゴルフがうまいやつって、普段から表に出してくるオーラがすごかった。でも桂川くんは、普段はピュアだけど、ゴルフになると人が変わったようにグイグイくる。このギャップがニュージェネレーションなのかな、とも思っています。


フェードヒッターで、コンパクトなトップから左に振り抜いていく意識を徹底しているのが強さの根幹。腕と体が完全に同調していて、まったく腕を振るそぶりがありません。フォローであおる動きがないので、逆球はほとんど出ません。基本的にはコントロール重視のスウィング。身長は167センチとそれほど恵まれているわけではありませんが、コントロール重視で290ヤード以上の飛距離が出ています。昔バレーボールのアタッカーをやっていたという体幹の強さと柔軟性により、コンパクトなトップでも十分な捻転差が得られるのでしょう。大曲がりしないうえに飛ばせるんだから、活躍しないわけはない。今後が楽しみです」

桂川有人の1Wスウィング

スティープ(鋭角)な軌道で左に振り抜く

ストレート・トゥ・インの軌道で左に振り抜き、強いフェードを打つ。練習から徹底し、逆球を防いでいるという

解説/内藤雄士
日大在学中に米国へゴルフ留学。帰国後にプロコーチとして活動を開始。トッププロやアマチュアを指導しながら、テレビ中継の解説などメディアでも活躍。母校の日大ゴルフ部のコーチも務める

週刊ゴルフダイジェスト2022年7月5日号より