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飛距離260Y! プロテスト6度挑戦の苦労人が全米女子オープン出場へ。どんな選手?

4月25日に行われた全米女子オープンの日本地区最終予選会で、6人の選手が6月に行われる全米女子オープンへの出場権を手にした。その1人、25歳の識西諭里(おにしゆり)は、これまで6度プロテストを受験し、うち4回は最終予選まで進みながらも高い壁に跳ね返されてきた苦労人。コーチを務める井上透氏に話を聞いた。

今回の全米女子オープン予選会では、井上コーチがバッグを担ぎ、二人三脚で戦った。本戦でもキャディを務める予定という井上に、手ごたえのほどを聞いてみた。

「私自身が一番期待していますよ。もともとすごくポテンシャルのある大型選手なんです。身長が166センチあり、ドライバーの飛距離はMAX260ヤード。スウィングが美しく、高いショット力を持ち、アプローチ・パットの完成度も高い。これまでプロテストに受からなかったのが不思議なくらいです。ただ、決してメンタルが弱いわけではなく、研究熱心で、試合中にマネジメントを考えすぎる傾向があったので、それを改めさせました」

考えすぎは弱気につながると、150ヤード以内はピンを直接狙うよう指示し、叱咤したのが奏功したという。

「識西自身、台湾ツアーにも単身で乗り込むなど海外志向が強く、USLPGAの選手はすべてSNSでチェックして、準備も怠らない。全米女子オープンの予選を通過することは並大抵のことじゃないと重々承知していますが、彼女本来のポテンシャルを発揮できれば、けっこういい線いくんじゃないですかね。ポイント? 彼女がやりたいことより、確率の高いことをしてもらう。それができれば面白い展開になりますよ」

識西が活躍すれば、プロテスト合格者しか試合に出場できない現行の国内女子ツアーの出場規定に一石を投じることになるかもしれない。乞うご期待。

「今年のプロテストまでに絶対米国へ行きたいと思って練習していました」と識西(写真提供:日本ゴルフ協会)

週刊ゴルフダイジェスト2022年5月24日号より